【漫画】"君の胃袋を借りたい"感情表現が苦手な社員と焼肉に誘った課長のやりとりに「めっちゃニッコリしちゃいました!」の声

2023/08/12 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

よく食べる部下を焼肉食べ放題に誘う課長画像提供:深蔵さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、イラストレーターで漫画家の深蔵さんが描く『君の胃袋を借りたい』をピックアップ。

Twitterで2023年7月13日に投稿したところ、3.3万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、深蔵さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

感情表現が苦手な社員が課長から焼肉食べ放題に誘われた…

『君の胃袋を借りたい』より画像提供:深蔵さん

作品は、感情表現が苦手な社員の大森君が、課長から焼肉の食べ放題に誘われるというお話。課長がスマホで食べ放題のお得なクーポンを見つけて、さらに大森君が昼食にたくさん食べていたことから、思わず食事に誘った。

大森君は他の社員と積極的に交流している様子がなかったため、課長は「上司からの誘いなんか迷惑に決まってる」と、誘ったそばから後悔してしまう。しかし、意外や意外。大森君は焼肉食べ放題についてきてくれた。

食事の席について早速、課長は誘ったことを謝罪する。大森君は誰か(しかも今回は上司)と食事に行くのは嫌なものと思っていたが、大森君は「誘われないだけ」と答えた。また、相手と楽しく会話をしないといけない空気も面倒だと言う。

しかし、今回は焼肉が好きで、一人焼肉はハードルが高いからなかなか行けないという理由で、ついてきてくれたようだ。会話を続けると、課長と大森君の焼肉への価値観が似ていることが分かってくる。そして――

「無理して合わないコミュニティに属する必要もないよね」

この課長の一言に、大森君はハッとした表情を見せる。自分も感じていたことを、課長に言ってもらえてどこか安心したのかもしれない。

続々と料理がテーブルに並び始め、二人とも本当に美味しそうな様子で焼肉を頬張る。大森君も表情こそ少ないが、しっかり会話を続けている。そして、ご飯を食べている表情は、感情豊かだ。

「楽しかったっスよ」

お会計後、大森君は伝えた。そう言われて嬉しくなった課長は、「また一緒にご飯行ってくれる?」と誘う。しかし、表情の変わらない大森君に、少し遠慮がちになってしまう。「もちろんおごるし」と付け加えた課長に、大森君は「おごってもらう前提だと自分から誘えないから」と断り、これからも一緒にご飯に行きたい旨を伝えた。このやりとりの間、大森君の感情はしっかり表情に表れていた。

「大森くん 感情出すの苦手っていってたけど 充分出てるよ」

課長からの一言に大森君はガッツポーズ。大森君にとって無理なく過ごせるコミュニティが見つかった瞬間なのかもしれない。二人の距離感は少しのぎこちなさはありつつ、とても満たされたひとときのように映っていた――。

作者・深蔵さん「ほっこりと笑顔になれる作品をこれからも描いていけたら」

『君の胃袋を借りたい』より画像提供:深蔵さん

――『君の胃袋を借りたい』を描き始めようと思ったきっかけや理由などをお教えください。

同年代の知人と「昔ほどは食べられなくなった」という話をすることが多くなってきたのが最初のきっかけです。
また、焼肉食べ放題に行った時に、周りのお客さん全員がみんな笑顔でいるなぁと感じたのもきっかけの一つです。
そんな空間に、実は大森君と課長のような人達が紛れ込んでいたら面白いなと思い描きはじめました。

――今作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

大森くんの心情の変化をなるべく少ないセリフで見せられるように気をつけました。
無愛想で何を考えているかわからない大森くんと、大森くんに対して少し苦手意識がある課長が、お互い少しずつ心を開いていく様子を感じてもらえると嬉しいです。

――作品のなかで特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由とあわせてお教えください。

「無理して合わないコミュニティに属する必要もないよね」というセリフはお気に入りというか、若かりし頃に自分自身が誰かに言って欲しかった言葉なので、誰かに響いたらいいなと思います。

――今回のお話を含め、Twitterには食に関する作品や写真などが多く投稿されています。お弁当デザインの名刺も大変印象的でした。深蔵さんにとっての食の魅力をお教えください。

ありがとうございます!
お弁当名刺はいろんな人にも褒めていただいて嬉しかったです。
自分にとっての食の魅力は、手軽に幸せな気分を味わえるものというところです。
たとえ高価でなくても自分がその時食べたいものを食べると気分が上がりますし、たまに背伸びして高価な食事をすればテンションがあがります。
また、何気なく食べたものが美味しければそれも得した気分になりますし、誰かと一緒に食べればコミュニケーションの一つにもなる。
もちろん適当に済ませてしまう時もありますが、1日の中で基本3回、そういった幸せな気分になれるチャンスがあると考えるとそれだけでワクワクします。
生きていく上で必要不可欠なものでもあるので共感されやすいというところも魅力の一つだと思います。

――深蔵さんの今後の展望・目標をお教えください。

現状はイラストや広告漫画等をメインに活動していますが、仕事の幅をいろいろと広げていきたいと思っています。
その一つとして、オリジナル漫画での連載やコミック出版をするのが目標です。
もちろん今作をどこかの媒体で連載したい!というのもあります。
よいお話があればぜひ…!!

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございます。
インターネット上は何かとネガティブな話題が目立ってしまいがちですが、その中でもほっこりと笑顔になれる作品をこれからも描いていけたらいいなと思います。
暖かい目で応援していただけると嬉しいです!