“100万ドルの笑顔”キム・レウォン、恋するアラフォーから武闘派受刑者まで演じきる名優が挑む“狂犬”刑事役

視聴者を魅了する優しい笑顔がトレードマークのベテラン俳優、キム・レウォン。最新作のドラマシリーズ「ファースト・レスポンダーズ 緊急出動チーム」シーズン2では、一度狙った獲物は決して逃さない、まるで狂犬のごとく、凶悪犯罪者の逮捕に挑む警察官のチン・ホゲを熱演中だ。今回は最新作での彼の活躍ぶりを中心に、その魅力を紹介しよう。(以下、ネタバレを含みます)

恋愛物語から痛快アクションまで数多くの作品に出演

1997年に俳優デビューし、現在42歳の俳優、キム・レウォン。彼の代表作の一つである恋愛ドラマ「屋根部屋のネコ」(2003年)をはじめ、元教師と教え子がお互い医師となって運命の再会を果たすドラマ「ドクターズ〜恋する気持ち」(2016年)、恋人と破局して間もないアラフォー男女の恋愛模様を描いた映画「最も普通の恋愛」(2020年)など、多くのラブストーリーに出演してきたレウォン。

恋愛作品常連俳優の彼に付けられた“100万ドルの笑顔”という輝かしい代名詞とは裏腹に、刑務所を牛耳るボス囚人に、真っ向勝負を仕掛ける武闘派元熱血刑事に扮(ふん)した映画「監獄の首領」(2017年)、ひょんなことで知り合った女性に引かれてしまい、ヤクザのボスという立場から政治家へと転身していく男を演じた映画「英雄都市」(2019年)といった、型破りな役柄をも担う名優の一人だ。

狙った獲物は逃さない！驚異の執着で凶悪犯罪者を仕留める

これまでのキャリアで幅広い役柄を演じてきたレウォンの最新作が、緊急事態の最前線で活躍する消防隊や警察官、救急隊らの姿を描いたドラマシリーズ「ファースト・レスポンダーズ 緊急出動チーム」だ。本作で主演を務める彼は、テウォン警察署に勤める刑事のチン・ホゲを熱演中。

このホゲという男は、狙いを定めた犯人を狂ったように追い続け、そして逮捕するすご腕警部補であり、周りからは“珍島犬”(チンドッケ)の愛称で呼ばれる、とにかく熱い男で、レウォンは優しい笑顔ではなく、怒鳴り散らす破天荒な刑事に扮している。

ホゲの少々暴走気味な活躍っぷりが、至るところで強烈に発揮されたシーズン1では、対面した連続誘拐殺人犯にメスで首筋を突き付けられながらも、犯人を誘導して爆発を引き起こす危険度の高い作戦を成功させた第1話をはじめ、第5話では書類偽装の文書鑑定を阻もうとする組織への“潜入捜査”として自ら一人でチンピラに扮し、組織のミッション中に偶然出くわした女性救急隊員のソル(コン・スンヨン)にSOSサインを示したことで、救出に向かった消防チームとの見事な連携で危機一髪の大惨事を逃れるなど、アクションシーンとともに命を顧みない活躍も見どころ。

また、ホゲはとにかく勘が鋭く、周囲が想像できないことにも勘づく人物だ。まさに“狂犬”のように、事件のサインを嗅ぎつける彼の嗅覚はすさまじく、関係者のふとした表情や体に残る痕などを瞬時に嗅ぎつけ、事件解決へと導いていく姿はとても頼もしい。それは過去にそのサインに自分が気付いてあげられなかったことで、失踪してしまった少女への後悔が今の彼の原動力となっている。シーズン1での、その思いをソルへ打ち明ける姿に、とてもやりきれない気持ちにもなった。