仲野太賀が“泣き”の演技で魅せる 宮藤官九郎の新作ドラマに「衝撃」の声<季節のない街>

2023/08/16 07:10 配信

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「季節のない街」第2話で見事な演技を見せた仲野太賀※提供写真

宮藤官九郎が企画・監督・脚本を務めたドラマ「季節のない街」が8月9日よりディズニープラス「スター」にて全10話一挙配信スタートした。宮藤が“街”の人々の暮らしを紡ぐストーリー。第2話では、タツヤ(仲野太賀)の家族関係が描かれ、SNS上では「衝撃」「切なかった」「仲野太賀の演技最高」などと反響を呼んでいる。(以下、ネタバレを含みます)

山本周五郎の小説を連続ドラマ化


同作は、黒澤明監督が「どですかでん」のタイトルで映画化したことでも知られる山本周五郎の同名小説をベースにした青春群像エンターテインメント。

舞台は、12年前に起きた“ナニ”で被災した人々が暮らす仮設住宅。そこでは月収12万円を超えると即立ち退きとあって、みんなギリギリの生活を送っていた。そんな“街”で見たもの、聞いた話を報告するだけで報酬がもらえると軽い気持ちで潜入した主人公・半助(池松壮亮)と、街の青年部のタツヤ(仲野)、オカベ(渡辺大知)の3人が中心となり、18世帯のワケあり住人たちを映し出していく。

第2話は、黒澤監督の映画では取り上げられなかった原作の章「親おもい」。タツヤの物語だ。

金を無心する兄に困っているタツヤ


“ナニ”で父を失い、母・しのぶ(坂井真紀)と、母と再婚相手の間に生まれた妹弟と暮らしているタツヤ。彼には、ヤクザものの兄・シンゴ(YOUNG DAIS)がいた。仮設住宅の暮らしになじめずに家出をしていたシンゴは、困ると金の無心にやってくるのだ。タツヤをかわいがってくれた再婚相手が仕立ててくれたスーツや大学進学のためのお金も渡し、働きづめで体調を崩した再婚相手の手術や治療のために集めたカンパさえもシンゴに用立ててしまうしのぶに、再婚相手は愛想を尽かして出て行った。

それで目が覚めたのか、母は昼夜働き、タツヤもバイトを3つ掛け持ちして、6年がかりで借金を返済した後、3年ぶりにシンゴが現れる。

母は駆け寄って、抱き着く。するとシンゴを演じ、ラッパーでもあるYOUNG DAISがお得意のラップで母に語り掛けるという、宮藤らしい小ネタ演出が。

ところが、この後「親おもい」というタイトルから多くの人が想像するであろう展開とは恐らく異なる。SNSでの「衝撃」「つらい」「ヘビー」といった声につながるものだ。