何より高潔すぎたことが夏油の闇堕ちの一番の要因だが、加えて手の届かない最強になった五条に対する孤独感もあったのだろう。五条がようやくそれに気づいたのは新宿での再会のとき。それまで五条にとって夏油は最強のパートナーで、救うべき弱い者ではなかったからだ。その後の夜蛾正道との「俺だけ強くてもダメらしいよ」という言葉、虎杖悠仁たちにかけた「僕に置いてかれないぐらいにね」という言葉には、後悔や教え子への期待が入り混じっているかのようだった。
こうして呪詛師となり、その後「劇場版 呪術廻戦0」で死亡した夏油だが、なぜかその1年後の物語である第1期に再び姿を現している。宿儺復活を目論む呪霊たちと結託し暗躍しているが、彼の存在を五条はまだ知らない。8月31日(木)から始まる「渋谷事変」ではどのような役割を果たすのか。その正体も気になるところだ。
■文/鈴木康道
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