――最後に、お2人がこの作品を通じて観客に届けたいことを教えてください。
鷲尾 この子たちは自分の意思を持ってやりたいことがあって、そこにまっすぐ進んでいる。そこにファンタジー的な邪魔が入ることで、乗り越えるために初めて大きな力によってプリキュアになる。そのプロセスがきちんと描かれていれば、この子たちは全員プリキュアだし、観客の方々もそういう物語を求めていると思うんです。
舞台って、背景やキャラクターがある程度固定されている映像と違って、観る方のイマジネーションがいちばん膨らむもの。自分の想像で補完できることが舞台のすばらしさ。そのためには彼らの日常であるダンスシーンに説得力がなくちゃいけない。ダンスが好きで一生懸命やっているのが伝わるからこそ、応援したくなるし、変身してカッコいいと思わせられる。そしてステージが終わった後に「観てよかったな」と感じていただけると思います。プリキュアを応援してくださっていた当時のお子様たちが、心から楽しめるエンタテインメントにしたいです。
ほさか プリキュアの「夢って大事」「夢を自分たちの力で叶える」というメッセージって、子供たちに向けたものだと思われがちですが、大人にももちろん夢はある。年を重ねるほど恥ずかしくなったり、現実を知ってしまったりで言いづらくなるけど、「夢を見る」のは老若男女全ての人に共通のこと。舞台で高校生のプリキュアたちが自分たちの夢を追う姿、それは簡単に手に入るものではないし、叶わない夢も出てくるかもしれないけど、その先にまた別の夢が出てきたりもするという、彼らの理想と現実を描くことで、プリキュアの世界がずっと届けてきたメッセージを改めて思い返して、今のプリキュアや昔のプリキュアをもう一度観てみようと思うきっかけにもなったらいいなと思います。
■取材・文・撮影/WEBザテレビジョン編集部
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