長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『ひらけ!パンドラの箱 アンタッチャブるTV』(毎週火曜夜9:00-9:54、カンテレ)をチョイス。
すっかり心霊の季節である。私には霊感もないし、普通に考えてオバケなんているわけないのだが、夏でお盆なんだからすべてのテレビ番組は心霊特集をやるべき、と考える程度には心霊コンテンツが好きだ。ここのところは『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズを1から順を追って鑑賞していて、画面を人影が横切ったり、柱から手が伸びたり、謎の声が入ったりといった現象をとらえる動体視力はそれなりに身についてきている。スタジオの面々には気付けない心霊現象に気が付くこともできるかもしれない。
カンテレ『アンタッチャブるTV』という番組で、滝沢カレンがお化けと仲良くなるために心霊スポットに行くという企画をやっていて、私もオバケに対し、恐怖はもちろんのこと、「ところで一体何をしているんですか?」という素朴な疑問を常に持ち続けているので、”幽霊を呼んで深刻に話を聞いていきたい”と独特な言語感覚で目を輝かせる滝沢カレンには賛同するばかりなのだ。しかも、前回の同企画では、戦慄迷宮に一泊したという。その際に女性の話し声がずっと聞こえていたと。あんなところ10万積まれたって寝たくないが、とにかく、ゴールデンタイムでありながら、その”攻め”の姿勢には大いに期待ができそうだ。そんな彼女は、アルコ&ピース平子祐希を連れて、玄岳ドライブインという心霊スポットに訪れたのだが…
それなりに怖いことが起こったりもするので、ここから先は是非本編をご覧になっていただきたいのだが、しかし、舞台がどれだけ怖い場所でも、現場に滝沢カレンがいて、ワイプにザキヤマがいたら、もうホラーとかじゃなくなる。当たり前の話である。幽霊に会いたいからと上階にひとりで向かうような、滝沢カレンのあのひょうひょうとした態度。彼女は怖がっておらず、あくまで好奇心で動いていて、自らの気の持ちようで、恐怖というものは簡単に上書きできるのかもしれない。恐怖というもので身体を満たさず、好奇心や、ユーモアをもって向き合い、雰囲気全体を変えてしまう、というささやかな抵抗。見習っていかねばならないだろう。
後半には、パンサー尾形が後輩芸人を連れて渋谷の落書きを12時間かけて清掃するという企画が。そちらも興味深く、本当にご苦労様です、といった内容で、ちょうど今日は渋谷に行くので彼らの掃除した場所の様子を見に行ってみようかと思うけども、私が何より驚いたのは、囲碁将棋ってパンサー尾形より後輩なんだ…という事実。なぜだかこういうことばかり気になってしまうというか、エモいと思ってしまうのだ。何が?
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