GPSによって居場所を突き止め、藤子の行く先々に現れる蒼真。執拗な追走劇は、やがて蒼真が仕事の電話によって呼び出されたことで一旦の終わりを迎えた。
憔悴した藤子がやってきたのは、会社の先輩と後輩がよく飲んでいるバー。普段の態度からは考えられない無断欠勤を果たし、着の身着のまま飛び出してきた格好の藤子を見た後輩は、驚きつつも藤子を迎え入れて話を聞くことに。
これまで恋を応援する立場だった相手が、実はストーカーだと知り驚く一同。居場所が知られてしまう現象も、蒼真にスマホを渡したことがあるということからGPSの可能性を見通した。アドバイスに従って電源を切った藤子のもとに、上司・坂本省吾(武田航平)が駆けつける。
不器用に藤子を想う坂本。なにかあっても守れるのだと格闘技経験を明かし、「ゴリラ以上だ」と藤子を安心させるように笑った。しかしバーに入ってきたスーツ姿の男を見るだけで恐怖に固まる藤子を見ると表情が一変。電源を切っている藤子のスマホを手に取り、おもむろに電源をつけると「俺に良い案がある」と告げるのだった。
そのころ蒼真は、連絡がつかず、GPS信号もなくなってしまった藤子を探して街をさまよっていた。「危険な目に遭ってたらどうしよう…なんか変な奴に襲われてたらどうしよう…どうしよう、どうしよう、どうしよう!」とパニック状態で走り回る姿はまさに狂気。そんな蒼真のスマホに、GPS信号が回復したという報せが入る。
急いで現場へ駆け付けた蒼真。信号の発信源近くで「藤子さん」と呼びかける蒼真に「こっちです」と返事をしたのは、藤子のスマホを持つ坂本だった。
「どうも」と姿を表した坂本に戸惑う蒼真。だが疑問をぶつける蒼真には取り合わず、坂本は「言ったじゃないですか、蓬田のことを傷つけないでくださいって」と静かな怒りをぶつける。
「たしかに、少し驚かせてしまいました。けど、あれは僕の愛なんです」「彼女への愛が、誰よりも深いだけなんです」と訴える蒼真。それを聞いたうえで、坂本は「一方的な気持ちの押しつけは、暴力と一緒」とシャットアウトする。「蓬田は、あなたの正体を知ってすごく怖がっていた。なのにあなたはそれに気づいてない」「あなたがやっていることは上村と一緒…ただのストーカーだ」事実を突きつけ、「今後蓬田に近づいてみろ。ただじゃおかないぞ」と去っていった。
その姿は、まさしく上村を撃退したときの蒼真自身。上村の一方的で狂気的なようすを見ていたからこそ、坂本の言葉が蒼真に深く突き刺さる…。
場面は変わり、太陽が照りつける時間帯。蒼真は空を見上げながら、「あの日の空みたいだ」とつぶやいていた。彼の脳裏をかけめぐるのは泣きながら「私は…ただあなたに生きてて欲しいんです!」と抱きつき、自殺寸前だった蒼真を救ったいつかの藤子の姿。その日と同じビルの屋上、柵の外にたたずみながら、蒼真は泣き出しそうな表情で目を閉じるのだった。
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