コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“吸血鬼とサラリーマンの共同生活”を描いた漫画『仕事でボロボロのサラリーマンが吸血鬼に狙われるお話』をピックアップ。
作者である漫画家のたけみつさんが、2023月6月24日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、4.6万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではたけみつさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
物語は、女性の吸血鬼がとあるサラリーマンに「血を吸わせて下さらない?」と声を掛けるシーンから始まる。突然のことに最初黙り込む男性だったが、彼の出した答えは「イイヨ」。意外な返答に「…いいの?」と吸血鬼が聞き返すと、彼は仕事で疲れきっているせいか「モウドウデモイイ…」と言いながら腕を差し出し、吸血鬼に血を与えた。
しかしサラリーマンの血は非常にまずく、これまでに味わったことのないほどだった。吸血鬼いわく、“血の味は人間の精神状態が関わっていて、落ち込んでいたり不安を感じていたりすれば血の味が落ちる”とのこと。そこで彼女は“美味しい血”を吸うために彼の家に住み込んで、生活改善を行うことを決心する――。
突如始まった2人の共同生活。吸血鬼が朝サラリーマンを目覚めさせることから1日がスタートする。そしてグルメな吸血鬼は、サラリーマンを元気にさせようと美味しい食事を用意。通勤ラッシュでストレスを感じるサラリーマンのために、コウモリたちを使って会社まで送り届け、仕事を円滑に進められるようにもサポートした。
さらに平日だけでなく、休日の生活も改善。閉じこもって寝ていただけのサラリーマンを映画館に連れていき、感想を伝えあった。また、時にはのんびり家でテレビを見ることも…。
あくまで“美味しい血を吸うため”に彼の生活をサポートしていく吸血鬼だったが、そんな中で次第に2人の距離は縮まっていく。彼も吸血鬼が風邪をひいた時には看病したり、プレゼントを贈ったりして、お互いがお互いを支え合うようになる。
そして数年後、サラリーマンは見違えるほど元気な姿に。さらに吸血鬼との間には子どもまで授かっており、2人は幸せな家庭を築いていたのだった――。
意外な展開を迎えた本作について、読者からは「尊い…」「こういうのめちゃくちゃ好き」「尽くしてくれるかわいい吸血鬼に萌えた」「吸血鬼じゃなくてもはや天使!」「最高かよ」など反響の声が寄せられている。
――『仕事でボロボロのサラリーマンが吸血鬼に狙われるお話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
この話を描いた当時、二次創作が中心であまり一次創作をしていませんでした。そんな中吸血鬼の面白そうな話を思いつき、一次創作にも手を出してみたいという思いもあって、この話を描きました。
――本作では、いつの間にかサラリーマンに尽くしている吸血鬼の姿が印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
“吸血鬼のヒロインが仕事で疲れきった主人公を救う”という話なのですが、かといってただ主人公が救われるだけではなく、ヒロインの吸血鬼にも優しくするという点も描きました。片方に依存するだけの関係ではないというのがこだわった点です。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
吸血鬼のヒロインが吸血鬼らしい能力で主人公の生活を手助けするのですが、描いている最中「どうやって吸血鬼の能力を活かそうかな」と考えるのが楽しかったので、その辺りが気に入っています。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
あまり何かから着想を得るという事はなく、寝る前にボーっと何を描くか考えていたら、パッと思いつくことが多いです。そこで面白い話が思いつくと、そのまま夜更かしすることになります。
――たけみつさんの作品は、読者を魅了するようなストーリー展開が印象的ですが、作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
漫画を描く時は、とにかく話をわかりやすくするように心がけています。あと主人公とヒロインをたくさん描きたいので、あまりキャラを増やさないようにとかは意識しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
今描いている作品がもうすぐ終わりそうなので、まずはそれをきっちり終わらせることですね。その後も描きたい話はあるのですが、画力面でどうしても描けずにいたので、その話を描くためにも、もう少し画力をあげることが当面の目標です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
毎回自分の作品を読んで頂き本当に感謝しています。自分の本業は別にあるのですが、その仕事の昼休み中とかは、ずっと頂いたコメントを読み返したりしています。
描きたい物語は山ほどあり、今度もたくさん描こうと思っているので、今後もまったり読んで頂けると幸いです。
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