北原里英「仕事と結婚を天秤に…」働く女性の葛藤を語る

北原里英撮影:山田健史

30代、結婚…北原里英の人生観に変化


――アラサー女性を描いた本作ですが、北原さんは30代を迎えられて人生観に変化はありましたか?

子どものことも考え始めてはいますし、変化はあります。結婚をして、一人じゃなくなったことで「これから先はどうにかなる」と安心できたんです。仕事を辞める気はありませんが、子どもができたら少しセーブしたいなとは思っていて、今後は家族の時間に重きを置いていけたらいいな、とも考えています。

ただ、常に新しい挑戦をしないと気が済まないタイプでもあるので、今回、小説に挑戦させてもらえたことは光栄でしたし、30代後半、40代、と年齢を重ねた時に、また新しいものに挑戦できたらいいなという思いはあります。

北原里英の初小説「おかえり、めだか荘」書影


AKB48・OGメンバーとは家族ぐるみの付き合いに


――AKB48の元メンバーにも、結婚したり母親になったりとライフステージを変化させている方が多いですよね。

やっぱり、みんなのことは意識して見ています。子どもができたことによって交友関係に変化があったりして面白いんですよね。

ともちん(板野友美)がママになって、あきちゃ(高城亜樹)とYouTubeを撮っているのを見ました。旦那さんがアスリートのママ友という共通点もあってか、今まで以上に話が合うようになったんだろうなと感じます。

――北原さんは、結婚を経てより話すようになったメンバーはいますか?

たかみな(高橋みなみ)の旦那さんとうちの旦那がすごく仲良しなんです。もともと、私はたかみなの旦那さんとも仲が良くて、3人でご飯に行くような関係だったんですけど、夫を紹介してからは夫が先に誘われるようになりました(笑)。

家族ぐるみのお付き合いが最近増えてきて、それも楽しいです。子どもができたら人生観がまた変わると思うので、そういう時にまた文章に残すことができたらすてきだなと思うので、また書きたいものが生まれたらいいなと思っています。

小説を出したことがゴールじゃない…映像化を目指す


――最後に改めて、読者の方にメッセージをお願いします。

“元アイドルの人”が書いている小説ということで、それによって手を取りやすいパターンもあるだろうし、それによって敬遠されちゃうパターンもあると思うんです。でも、そういうことを抜きに面白いものが書けたのではないかなと思っているので、作者が誰、ということを一旦忘れて読んでいただけたらうれしいです。同年代の女性の方には特に届いてほしいなと思っています。

それから、実は私、この作品で映像化を目指しているんです。小説を出したことがゴールじゃないと思っているので、本を出版したことによって新しい物事のスタートラインに立った気持ちでいたいなと思っています。

◆取材・文=山田健史

北原里英撮影:山田健史

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