プロゴルファー・有村智恵の初冠番組「有村の智慧」(毎週木曜 夜9:00-10:00、BSJapanext)。8月24日に放送されたのは、佐々木慶子、小達敏昭、高島早百合を呼んで“飛ばしのコツ”を学んだ。「飛距離を出す要因」として才能と努力を比べるなど、興味深い話が飛び出した。
この日のゲストは、佐々木慶子、小達敏昭、高島早百合。番組は高島がイップス…極度の緊張などが原因で、思うようにパフォーマンスが出せない症状に苦しんだエピソードから始まった。
高島はイップスのきっかけとして「もとを辿れば、クラブの変化が大きかったのかな」と振り返り、シャフトが変えられるスリーブが付けられたタイミングでクラブのバランスが合っていなかったのではないかと考察した。ドライバー以外のアイアンが当たらなくなってしまい、「ちょっとでも曲がってしまったらダメだ」と振れなくなるという悪循環…。その結果、試合にも出られないほど打てなくなってしまったのだという。
西山ゆかりと回っていた時は、トイレで泣きながら「私もう棄権していいですか?」と訴えたが、西山に「いや、頑張ろう!」と鼓舞され、2人で回りきったとのこと。その後クラブを変えたこと、メンタルトレーニングを受けて気持ちが向上したことで、イップスを克服するに至った。
一方で、パーシモン、メタル、チタンといったさまざまな材質のクラブを使用してきた小達は、シニア世代はクラブの変化に苦労してきたという話を耳にしながらも、自身の経験については「別に」「すぐ慣れません?」と回答。特に辛い思いをしたことはないと話す。
この話を聞いて、スタッフから質問が。「飛距離を出す要因として努力と才能のどちらが大きいのか」というものだ。
非常に興味深い質問に、高島は「ベースがないとダメだと思います。細く見えても、持ってる筋力を瞬時に最大力使えるっていうのは、結構才能の部分もあるかなと思うので。いろんな人のレッスンとか見てても上手くできる人とできない人っていうのはいて。ただ、それはトレーニングとか努力をすれば、ある程度はできるようになる」と答えた。
一方小達は「男子のアマチュアの人に限って言えば、250ヤードは誰でも飛ばせます」と前置きした上で、「300とかになってくると、白い筋肉が多い人の方が飛ぶかもしれない。陸上で言えばマラソンよりも100メートル走が得意な人。でもゴルフは4日間プラス1年間あるんで、一番いいのは瞬発力もあって体力もある人」と意見を述べる。才能があるに越したことはないが、“最初から得意なこと”だけでなく“努力に付いてくる結果”も大事だということだろう。
話は小達による“昔の飛ばし理論”へ。かつてはパーシモンのクラブが重かったため、腕力のあるゴルファーが飛ばし屋だった。トム・ワトソンやジャック・ニコラスは“肘から下だけ鍛えろ”という持論のもと、丸太のような腕をしていたと回顧する。
これはアメリカのゴルフ業界に限った話ではなく、日本でも同様。入浴したら浴槽内で手首を振る、クラブを3本持って上げ下ろしや回転をするといったトレーニングを課せられていたとのこと。
有村も「手首を使った方が飛ぶ」と言われたことがあり、実際に試してみたが、当て方がわからなかったという。そんな有村に佐々木は「でもウェッジの使い方がスーパー上手いのは、その手首の使い方だと思う」と指摘した。昔の理論ではあったものの、トレーニングが無駄になったわけではないようだ。
高島は、骨盤を大きく使って体を回転させることを重要視するという独自の“飛ばし理論”を展開。足を大きく広げて腰を左右に移動させ、降りてくるヘッドに対して自身の体の加速を付け、広背筋を引っ張り下ろすフォームを解説しながら実践してみせた。情報量の多い理論に3人は混乱気味だったが、高島が直接指導すると、すぐに納得したようすを見せた。
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