田中圭が主演を務めるドラマ8「ブラックポストマン」(毎週金曜夜8:00-8:54、テレビ東京系)。同作は、ごく普通の人が今を生きるために、小さなアクションを起こす。ほんのちょっと勇気を出す。そこから世界が変わっていく様を、二転三転する謎、敵・味方が入れ替わる戦いをエンターテインメントに徹して描くサスペンスドラマ。
田中演じる主人公・副島力也は、困っている人がいたら放っておけない性格で、つい首を突っ込んで厄介ごとに巻き込まれてしまう、陽気で落語好きな「郵便配達人」。しかし裏の顔は、警察や司法が手を出さない事件の被害者を救うため、加害者を制裁する「ダークヒーロー」という役どころだ。
9月1日に放送される第3話では、大人に苦しめられている子供のために生まれた郵便ポストに、新たな“ネバーランドの悪魔”宛ての手紙が届く。そのメッセージをきっかけに、田中演じる力也と、志田未来演じる桃が新興住宅地を訪れるというストーリーが描かれる。
WEBザテレビジョンでは、二面性のある役に挑む田中にインタビューを実施。演じる人物像や共演者とのエピソードを語ってもらった。
――今回演じる力也という役は、田中さんからどういう人物に見えていますか?
今の時代、厄介ごとが起こったりした時に「放っておこう」「関わらないようにしよう」という世の中になっている気がしていて。決してその対応が間違っているわけではないし、けれど果たしてそれが合っているのかというとまた難しい。
僕はどちらかというと下町育ちなので、子供時代は近所の知らないおじさんにお世話になることも多かったですが、自分の子供には「知らない人に話しかけられてもついて行ったらダメだよ」と言っていて…。
そういった中で力也は、関わらないようにしようと思いつつも、お節介という性格もあり、つい関わってしまう。子供のSOSをどうにかしたくなってしまうんですよね。
――そんな力也を、田中さんはどういう風に演じているのでしょうか?
力也は、元々少し暴力性が高いという過去描写がされているのですが、今はどちらかというと普通に良い人に見えています。何かを経てそれが消えたのか、封印しているのか、自分で気をつけているのか分からないけれど、「過去の暴力性は一体どこまで忠実に守っていけばいいんだろう」と、匙加減を気にしながら最初は撮影していました。
力也がやっていることは別に正しいことではないけれど、それによって救われることがある。ただ、逆に不幸が起こることもあり、そもそもの“ネバーランドの悪魔”の存在意義を問われ続け、葛藤しながら、でも放っておけないという男なんです。
それを正義でやっているのか、暴力性のベースがあり「懲らしめたい」という気持ちでやっているのか、力也自身もよく分からないまま進めようと思っていたら、意外とローテンションな人物が出来上がりました。本人的には明るく生きているつもりですが、見ている人はどう感じるのだろう…と思いながら演じています。
僕的には良い人を演じているつもりもなければ、「正義!」という感じでやっているわけでもないです。ただ、彼のような人がいなくていいのかというと、そんな風には思わないです。