梶原善「若い元気な子で才能がある俳優」出会う前の中村倫也について語る<ハヤブサ消防団>

2023/09/07 12:00 配信

ドラマ

梶原善だから知る中村倫也の座長ぶりとは?


――若い頃から知っているという中村さんの座長ぶりはいかがですか?

その場の空気にうまく漂っている感じです。「おいら座長だぜ!」という感じは全くないです。でも、しっかりと締める所は締めてくださっていると思います。

倫也くんが舞台に出ている姿を見ていたし、知り合う前からちまたでは「(芝居の)うまい子がいる」と有名だったんです。倫也くんは倫也くんで、僕らに対して「あの諸先輩方を知っている」という認識だったでしょうし、僕らは僕らで、「若い元気な子で才能がある俳優がいる」という認識でした。

そんな中、お互いが尊敬し合っている状態で出会い、お芝居を一緒にしてきたので、いきなり連続ドラマで初めて会った若い俳優と歳を重ねた俳優という関係性ではないから、その辺はちょっと違うのかもしれません。

若い俳優と共演する時は「初めまして」という場合がほとんどで、関係を一から作っていかなければならないですが、そういう意味では、倫也くんとは何十年も前から知り合っているので、関係値もありますし、何よりも安心感がありました。

――今度は梶原さんが演じるキャラクターについて教えてください。

僕が演じる森野は、特に毒もなく、消防団の中で唯一自営業ではなくて、役場の土木課で勤務しています。役場で働いている人は、しっかりと仕事をこなし、当たり前のことをきちんとやり遂げる真面目なイメージがあります。

森野もそのイメージ通りの人物であり、僕自身は森野に対して、「普通のおじさんなんだろうな」と思っています。きっと森野には大した野望もないはずなので、とにかく普通であり、平凡な雰囲気を出すことが僕の仕事かなと思い、森野を演じています。

――消防団として活動する役どころかと思いますが、思い出に残っていることは?

初めて体験することや習うことは種類を問わず、何でもドキドキしますよね。それこそ、ダイビングをする時も初めて酸素ボンベを背負って、ボンベを緩めたり締めたりする動作一つ一つに対して、不慣れなんです。

それと全く一緒で、ホースをつなげる動作にしても、つなげて確認して、ホースから水が出るまでレバーをどうしていればいいかなど、段取りを行うということは本当にドキドキしました。

初めて放水する時って、どんな人でもドキドキすると思うんです。僕もドキドキしています。結構な水圧が加わってくるので、水が出てしまえば、「あぁこのくらいの力でいいんだな」と判断できますが、水が出るまではどの程度の力を入れればいいのかが分からないので、そこが難しい点でした。

あと不思議なものでこの仕事を受けて消防団から指導していただいてから、地元の消防団や消防車が走っているとものすごく気になるようになりました。

――そわそわしてしまいますよね。

そうなんですよ。目は合ってはないとは思うんですけど、消防車が走っている姿を見ると「頑張れよ!」「いってらっしゃい」という気持ちで見送ったりしています。

都内でも結構消防団っているんですよね。僕の家の近所でも、週末に空き地や神社の広場などで消防団が練習しています。今までは知らなかったのですが、このドラマを通して、消防団という存在を知ったことがきっかけで、今まで見えていなかったことが目につくようになりました。

ドラマのお話をいただくより前に、消防署の前を通りかかると、僕も男の子なので消防署をのぞいたりしてましたし、俳優業をしているので、どうしてもどんな人が働いているのかなと気になることがあり、なんとなく興味がありました。

今はドラマで消防団というものに触れ、どんなことをやっているのかを知ったので、その時の何倍も興味があります。