ヒプステ“どついたれ本舗”が歩んできた進化の軌跡「自信を持つことが大事だと学べた」「最後の最後までみんなと笑えれば」

2023/09/02 19:00 配信

2.5次元 インタビュー 独占

3年間で進化してきたチームの関係性

里中将道(左)、荒牧慶彦(中央)、郷本直也(右)撮影=友野雄


──荒牧さんと里中さんは 2020年10月のtrack.3から簓と盧笙を演じてきましたが、最初に出演が決まったときはどう感じましたか?

里中 いや〜、怖かったですよ。オオサカ・ディビジョンのキャストを知ったときに「荒牧慶彦」「東山義久」と書いてあって「俺だけ新人すぎん?」と驚いたし、本当に不安でした。でもヒプステ自体は、(植木)豪さんが演出ということもあって、すごく興味がありましたし、自分自身が大阪出身ということもあってオオサカのキャストで出演したいと思っていたので、出演が決まったことはすごくうれしかったです。

荒牧 僕は挑戦でしたね。そもそも関西弁をしゃべったことがなかったので。それでも挑戦させてもらえるということでドキドキしていました。ヒプステは、track.1からもちろん興味を持って見ていたのですが、エンタテインメントのショーとしてしっかり出来上がっていて、「こんなにワクワクする舞台あるんだ」と思っていました。何よりも「ラップってカッコいいんだな」と思える舞台で。ラップと舞台、ラップと芝居ってこんなに合うんだと思いましたね。

──郷本さんは2022年の《どついたれ本舗 VS Buster Bros!!!》からの参加ですが、出演が決まったときはどう思いましたか?

郷本 僕も、ラップやダンスに対しては苦手意識があって避けてきていたので、40歳を過ぎてまさかこんな挑戦をさせていただける場があるなんてと、すごく光栄に思いました。僕の場合はみんなが築いたものに入る形だったので、ある意味入りやすくもあり、逆に入りにくくもあり。でも結果的には皆さんの作った“どついたれ本舗”を見させてもらえたので、とてもやりやすかったですね。

荒牧 なおやん入ってきたとき、全然違和感なかったですよ。もともといたのかなと思うくらい。

里中 なんなら「初めまして」の時点でもう違和感なかったです。

郷本 そんなことある? 初めましてで違和感ないって(笑)。

──“どついたれ本舗”の雰囲気自体は最初と今で変わっていますか?

里中 全然違いますね。それこそ僕はお芝居の経験が少なかったので、最初の頃はまっきーくん(荒牧)と東山さん(当時の天谷奴 零役・東山義久)に食らいつくような気持ちでやっていました。でも今は信頼していろんなことを任せていただけていて。ほんまにうれしいです。

荒牧 将道は当初、僕と義久さんを後ろから追いかけてくるというイメージでしたけど、今は本当に堂々と3人で並んで歩いています。僕の中では、何より、僕に関西弁が馴染んだということがすごく大きな変化です(笑)。

郷本 本当に心地の良いチームですね。お互いに信頼感を持っていて、無理がない。そういう意味で、無敵のディビジョンなんじゃないかなと。いろいろなディビジョンがありますけど、オオサカが引っ張っていけるんじゃないかと。

里中 「笑いなら絶対に任せてください!」という感じですね。

郷本 そう、笑いなら、ね!(笑)

荒牧 箸休めは必要なのでね。我々が箸休めになれればなと。

郷本 そうか、引っ張っていくというより、箸休めか(笑)。

ヒプステは稽古に行くのもすごく楽しみ


──これまでのヒプステで特に印象的だった出来事を教えてください。

里中 僕は大阪出身で、元々お笑いライブが好きで、中学生のときに漫才をやったこともあるんです。お笑い芸人になりたいと思ったこともあるくらいだったので、芸人さんの役ができて、人前で漫才できたのは、本当にかけがえのない時間でした。

荒牧 豪さんは自身の演出作において、アドリブを入れるのがあんまり好きじゃないそうなんです。でも僕たちはtrack.3で勝手に漫才を入れてみた。そしたらその仕上がりがよかったからなのか、それからは「まっきーくんになら任せられるから好きにしちゃってください」と言ってくださって、「だるまさんがころんだ」の場面(《どついたれ本舗 VS Buster Bros!!!》でのアドリブシーン)など、いろいろやらせてもらいました。その、認めていただけた、信頼して預けてくださったというのがすごくうれしかったですね。まぁそのせいで自分たちを苦しめることにもなるんですけど(笑)。でもそのドキドキ感も好きだったりします。

郷本 僕は、チームバランスがすごく良いということですかね。うちのディビジョンもそうですけど、何よりもカンパニーとしてのバランスが良くて。とにかくスタッフさんたちの愛情が深い。制作さんはもちろん、現場でつく照明さん、音響さん、演出さん、みんなのチームワークがすごく良くて。どこかで何かが起きてもすぐに対応するし、ピリッとした空気になったとしても、豪さんがすぐ和ませてくれて。演出家が先頭を切って笑わせようとする姿を見て、このカンパニーの雰囲気の良さは豪さんのおかげなんだなと思いました。

里中 おかげで、本番はもちろん、ヒプステは稽古に行くのもすごく楽しみなんですよ。