ヒプステ“どついたれ本舗”が歩んできた進化の軌跡「自信を持つことが大事だと学べた」「最後の最後までみんなと笑えれば」

2023/09/02 19:00 配信

2.5次元 インタビュー 独占

自信を持つことが大事だと学べた現場

白膠木 簓役の荒牧慶彦撮影=友野雄


──俳優として、ヒプステで得たものはありますか?

荒牧 舞台上で生きることが楽しいなと、簓を演じていて改めて思いました。

──荒牧さんはこれまで様々な役を演じられていますが、改めてそう感じられたのはどうしてなのでしょうか?

荒牧 簓がより自由なキャラクターだからだと思います。言ってしまえば何でもできるんですよね、自分で回収さえすれば。その自由度はこれまでの役にはあまりなかったことだったので、とても楽しかったです。

郷本 僕は自信を持たせてもらったことが一番大きいかもしれないですね。僕は見た目の割に中身は小心者で、実は、自分に自信を持って舞台に立つということがそんなになかったんです。そんな中で、ヒプステは改めてちゃんと自分と向き合わないといけないような現場だった。「稽古を積んでみんなで成長していこう」というよりも、各々が考えて持ってくるという雰囲気。できないところがあったとしても、誰かがフォローしてくれるのではなくて、自分で気付いて上達していく必要がある。それができないと振り落とされていくような感覚がある現場なんですよ。悪い意味ではなく、ものすごく成長のできる場所。その結果、自信を持って舞台に立つことができた。しかもお客さんがそれに応えてくれて、さらに自信につながりましたね。

里中 僕もtrack.3の初めはオドオドしていたんですが、自信を持つことが、お芝居をする上で、人前に立つ上ですごく大事なんだなということを学ばせていただきました。

──そういう環境作りがされているんですか? それとも自然と感じ取っていく?

里中 僕の場合は、横にずっとまっきーくんがいるので。隣にいると、そのすごさを感じるんですよ。僕も盧笙と一緒で、この人と対等でありたいと思う。そこを追いかけてやっていきました。

──まさに簓と盧笙の関係ですね。

里中 そのあたりもリンクしていたので、お芝居は作りやすかったですね。まっきーくんとじゃなかったら、全然違うものになっていただろうなと思います。それも含めて僕はヒプステでの経験はものすごく大きくて。失敗や悩むこともあった中で、本当に成長させていただいた作品です。自分が盧笙と似ているからこそ、盧笙として生きられて、本当に本当にありがたい経験でした。

躑躅森 盧笙役の里中将道撮影=友野雄


最後の最後までみんなと笑えれば


──「Battle of Pride 2023」で卒業となりますが、最後に卒業に向けての思いを聞かせてください。

荒牧 寂しいことは寂しいですが、原作も含めて簓というキャラクターがいなくなるわけではないので。僕がやる簓は、最後の最後までみんなと笑えればと思います。

里中 僕はこの作品に携われたことがすごく大きいので、卒業はすごく寂しいです。でも、この経験に感謝を込めて、最後までこの3人で笑いを作りながら楽しめたらと思いますし、僕のできる盧笙を最後まで一生懸命届けたいなと思います。

郷本 僕はこの作品に加わったばかりで、今が絶頂に楽しいとき。だから卒業に対してもまだ実感がないというか。楽しいまま終わって、あとから余韻に浸って「楽しかったな」って寂しくなるのかなと思います。けど、今はすごく楽しいので、最後の最後まで楽しむことが全てですね。

■取材・文/小林千絵
撮影/友野雄
ヘアメイク/瀬戸口清香 茂木りさ
スタイリング/小田優士