田村升吾×滝澤諒、男子プリキュアを演じる思い 幼い頃受け取った感動を、今度は僕らが生み出す番

2.5次元作品を演じる上で「モノマネに留まらない」「作品の解釈を広げたい」

田村升吾(右)、滝澤諒(左)撮影=入江達也


――お2人は本作が初共演で、今日(取材日)が初対面とのことですが、お互いの印象はいかがですか?

田村 僕は、「ストイックな方」と聞いてました。

滝澤 その(情報を伝えた)人は大ウソつきです(笑)。

田村 お話を聞いていても、真面目な方なんだなと感じますし、頼りになりそう。ロックも同じように信頼できるんだろうなと思っています。

滝澤 僕は…安定感のある人だなと思って。喋るペースがちょっとゆっくりめで、同じくらいなので好きです(笑)。

田村 すごいところを見てる!ありがとうございます(笑)。

滝澤 稽古を通じてもっとお互いのことを知っていけたらと思います。

――お2人とも25歳ですが、落ち着きを感じますね。

滝澤 あー、でもそうかも。(田村に)年より大人っぽく見えるって言われません?

田村 時と場合によりますね…僕は自分のことをめちゃくちゃ少年だと思ってるんですけど(笑)。

田村升吾撮影=入江達也


――お2人とも、いわゆる2.5次元作品にたくさん出演されていますが、演じる上で面白いのはどんなことですか?

田村 いっぱい失敗もしたし、いっぱい成功体験もさせていただいた中で、僕が毎回掲げてる目標は「モノマネにならないこと」。僕たちがやってるのは演劇で、「似てたね」で終わりたくない。命を持った身体がそこにあって歌ったり踊ったりすることで、原作にない何かを感じてほしい。お客様の期待に応えて想像を裏切りたいと毎回思いますし、それができたときが楽しいです。

――「似てる」を超えた瞬間とは、どんなときだと思いますか?

田村 難しいですけど…原作のマンガやアニメがそもそも100点なわけじゃないですか。そこへのリスペクトはもちろんありつつ、役者がやることで人の心を動かしたい。衣裳やヘアメイクはプロの方がどう転んでも似るようにしてくださっているわけで、だからこそ中身、演劇としてどう表現するかに挑戦し続けるべきだなって思っています。「キャラクターが生きてる」とお客さんが思う瞬間が、たくさん積み重なっていく作品を作れたらいいな。

滝澤 「2.5」の「.5」って小数点だから、曖昧じゃないですか。どこに価値をおくのか、何を表現したいのかのベクトルが様々だなと感じることがあって。いろんな価値観の人がいるから面白い。その中で僕は、原作をリスペクトしているからこそ、原作の解釈が広がる瞬間があったらいいなと思います。舞台を通じて、キャラクターの知らなかった一面を見たと感じたり、「あのとき実はこういうことを思っていたのかな」と考えたり…ストーリーの軸から離れずに、新しい解釈を楽しんでいただけるきっかけになれると嬉しいです。

あと、僕はダンスをする作品への出演が多いですが、「このキャラクターはダンス上手いのか下手なのか問題」が結構あって。でも「このキャラクターってダンスしないよね」って言われたら終わっちゃうから、自分のダンスのスキルをもって「そのキャラクターがしてもいいダンス」を成立させたい。しっかりスキルフルにやって、キャラクターとして魅せていくことを意識しています。

――最後に「ぼくプリ」を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

田村  プリキュアは女性も男性も、たくさんのファンがいらっしゃる作品ですが、ほさか(よう)さんの脚本によって、また新しくて素晴らしいものができると自信を持っています。とにかく楽しみにしていてほしいし、観終わった後に笑顔で元気になれる作品を作れるように精進していきたいです。

滝澤 子どものころプリキュアを初めて観たときに感じた感動を、今度は僕らが表現する番になったなと思っていて。女の子なのに勇敢に立ち向かって、アクションも多くて、攻撃を受けてダメージが大きい中でもあきらめずに戦っているすごさ。もちろん簡単なことじゃないのはわかっていますが、プリキュアが持つ輝きを精一杯お届けしたい。初めて舞台を観る方にも必ず楽しんでいただける作品になると思いますので、様々な層の方に観ていただけたらと思います。

■取材・文/WEBザテレビジョン編集部
撮影/入江達也

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