――本作から物語の舞台が函館へと移動します。函館での撮影はいかがでしたか?
本当に夢のようでした! 「おいしい給食」の撮影を北海道でするなんて夢にも思っていなかったので、精いっぱい、時間を無駄にせず、函館の空気をこの作品のファンの皆さまに届けたい一心でした。
――撮影期間中には函館を回られたりしましたか?
回る時間はなかったんですけど、子供たちが撮影に入る前にみんなで函館を一望できる函館山に登って、ちょっとだけ観光しました。
あと、撮影中は食事の制限をしているのですが、函館での全部の撮影が終わってから帰るまでに少し時間があったので、朝早く起きて市場に行って、丼ぶりを食べたり、ラーメンを食べたり、お世話になった方にカニを贈ったり、函館を満喫しました。
以前、バイクでも行ったことがあるのですが、その時は横を見たら鹿が10頭くらい並走してたんですよ。「すごいなぁ…」って思って、前を見たら20頭くらいの鹿が道を封鎖していて(笑)。自然豊かだからこそ、より人間味があると言いますか、人情味あふれる場所で撮影ができました。
――個性豊かなキャラクターも新たに登場しています。新たな出演者の方々、生徒役の方々との共演はいかがでしたか?
素晴らしい方々が出演してくださって、本当に感謝しています。「みんなキャラ濃いなぁ」って…現場ではお喋りが止まらなくて、なかなか進まないんですよ(笑)。
僕、高畑(淳子)さんが出演されてる作品をいろいろ拝見しているのですが、まさか高畑さんがあんな芝居をしてくださるなんて思ってもいなかったので、ぜいたくだなぁ、素晴らしい女優さんだなぁって。共演させていただけて本当にうれしかったです。
粒来ケン(田澤泰粋)は、新たな魅力をまとったライバル生徒です。本人自身が食いしん坊で、撮影が終わってからも端っこでずっと給食をおかわりして食べていたり。僕が撮影してて、ふと見ると暗い中でずっと食べてて、「ケン、まだ食べてたの!?」って(笑)。
(スタッフに)「おかわりまだいる?」って聞かれて、「あ、食べます!」って答えてて、本当に給食が大好きで、この子と一緒にできて良かったなってそれを見て思いましたね。台本も付箋だらけで、一生懸命に作品と、そしてお芝居と向き合っていました。
――作品内では先生と生徒という関係性ですが、その関係性を作り上げるために市原さんが撮影現場で行ったことはありますか?
作品が始まる前にスタッフ・キャストで顔合わせと本読みをするのですが、その時に「ただ楽しい、ただやり遂げたで終わるのではなく、なぜ皆さんが選ばれて、なぜこの作品を作ることになり、誰に、どんな思いで作品を届けたいか、自分の中で見出しながら一緒に共闘して作っていきましょう」という話から始めました。
僕らの職業は、「衣食住」に入っていないので、なくても生活は成立してしまう。だからこそ、必要としていただくために奮闘しなければいけないと。それは現場で生み出さなきゃいけない総合芸術であり、時には自分を殺して相手を生かしたり、相手がしゃがんで自分が前に出たり、このバランスでいろいろなことを進めていくために、みんなで協力して、誰かの喜びを自分も喜べるように、誰かの悲しみを一緒に分かち合えるように…とにかく楽しんでやりましょう!って。
僕も子供の頃から芝居をしているので…まず現場を楽しんでもらいたい。「明日も早く現場に行きたいな」「あの人に会いたいな」って、思ってもらえるようにとにかく200%の思いで、愚直に子供たちと向き合いました。
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