――MVはまるで映画のようで、北野武さんの作品みたいだと感じました。
映画のようなMVにすることは、曲を作りながら決めました。歌謡曲のエッセンスを入れようと決めてから、極道のイメージが浮かび上がってきたんです。そのまま昭和歌謡をやっても自分らしくないと考えていた時に、極道っぽいものなら私に合うかなと思いついて(笑)。それから、クレイジーケンバンドの横山剣さんの影響はあるかもしれません。ずっとファンだったし、一度対談させていただいたこともあって、本当に素敵な方でずっと心に残っていました。剣さんを思い出したら極道っぽいものがやりたいなと思えてきて(笑)。MVの参考にした映画は『仁義なき戦い』です。MVではいろいろな選択肢に悩まされる極道の一家に生まれた女性をイメージしました。
――着物姿が素敵で、「美人」のMVや20歳の時のワンマンライブの着物姿とはまったく違う印象でした。演技も、目線など細かいところ含めてとても良かったです。
ありがとうございます。テーマは「お嬢から女将へ」。演技は、頑張りました(笑)。乱闘シーンなんかも間近で見ていたから役者さんに感情移入しちゃいましたね。「ああ、この人この後、〇〇されちゃうのに……!」とか思いながら(笑)。
――ちなみに、放送されているドラマは見ていますか?
もちろん見てます! 最初は、「命日」が流れたことに気付きませんでした。ドラマが面白くて見入っちゃって、自分の曲が流れることを忘れちゃってて。イントロが終わったくらいで「あ、『命日』だ!」って気付きました(笑)。しかも毎回、後半の良いタイミングで流してくれるんですよね。あれはドラマチームの凄さだと思います。
――今回の書き下ろしを経て、今後やってみたいことはありますか?
ドラマの内容に即した作品を書き下ろすのは今回が2度目だったんですが、今後も自分が面白いと思った作品に寄り添ってできることがあるのなら、またぜひやりたいなと思いました。「面白いものを作ってください」と言われると燃えます。こんなに素敵なドラマに、あんなに素晴らしい使われ方をされるなんてとってもありがたいです。ドラマチームのみなさんのおかげで、幸せなタイアップになりました。
取材・文=山田宗太朗
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