コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は夏目にーにさんの『凄く伸びる人の特徴』をピックアップ。
本作を作者の夏目にーにさんが8月19日に自身のX(旧Twitter)に投稿したところ、どんな世界にも当てはまる分かりやすい表現や鋭く刺さる言葉が話題を集め、2.8万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、夏目にーにさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。
本作は、美術教師としての面も持つ夏目にーにさんの実話を元に描かれた作品。
ある日、生徒から「メキメキ伸びる子ってどんな子でした?」と質問をされる。そんな質問に先生が答えた回答は「話の理解度が高い人」という才能が必要な世界では少し意外かもしれない回答だった。
しかし、この回答には言葉の表面だけでは分からない深い意味があったのだ。表向きは「アドバイスをよく聞く素直な子」しかし、それだけでなく様々な意見を自分の養分にして「ただひたすらに大きくなる怪獣(モンスター)」が本当に伸びる人と描かれている。
"才能の本質"について美術教師ならではの目線で描かれた本作。X(旧Twitter)上では「何にでも通ずる話だなぁ…」「マジでコレですよ」「これ、120%同意します」「すっげぇ刺さる…」「うおーん、深い…」「おもしろい!納得!」など共感や納得の声が寄せられている。
――『凄く伸びる人の特徴』を漫画にしようと思ったきっかけや理由があればお聞かせください。
指導している美術部部員の中でモデルになった生徒がいて、過去を振り返った時に「確かにこういう生徒が伸びているなぁ」と気づいたからです。それが読んだ人に前向きなエネルギーを与えられるのではないかと思いました。
――本作では、”伸びる人”の例えとして「怪獣」と表現されていたのが印象的です。描く上でこだわった点や、読者に伝えたかった想いなどをお聞かせください。
指導をする中で、やはり「他人の意見を謙虚に受け止めることができる人は強い」というシンプルな想いです。「大人しくて真面目な子が先生の言う話を聞く」というバイアスを壊したくて、怪獣の表現に至りました。
ちなみに私は言うこと聞く生徒も聞かない生徒もどちらも好きです。年齢的に謙虚になれないのは当たり前で、高校生らしいなぁと思ってます。私もそこまでできた生徒ではなかったので…。
――夏目にーにさんは画家としてだけでなく美術教師としての一面もお持ちですが、芸術の道を進む上で最も大切にすべきことは何だとお考えでしょうか。
どちらも大したことないので、言える立場ではないではないのですが、情熱のほか、私には才能がある!と思い込めるかも大事だなぁと。自分を客観視しすぎないで、自分を騙し続けられるか…そういう人じゃないと続けられない世界だと思ってます。
周りを見て「私には才能がない」と思って辞めることは簡単ですから。
――本作以外にも、『今やれ、今』や『攻めろ』など多くの挑戦者に火をつけるようなメッセージ性の強い作品を多く描かれています。「漫画にしよう」と思う基準や創作全般においてとくに意識している点などがあればお聞かせください。
まず多くの人にとって、この話はプラスになるんじゃないかと心から思えることが大事です。
そして話を作る時に私が実際に体験して感じた話を元にする事を心がけています。その過程で描いた作品が自分にしか描けない作品になると思っています。
あと、一つの主張をすれば相反する意見は必ず生まれるので、できるだけ作中や補足でカバーすることは必ずしています。
――夏目にーにさんの今後の展望や目標をお聞かせください。
今は私の本名で絵を発表することより、夏目にーにとして漫画を発表する方が圧倒的に見る人が多いのが現状なので今後はそれを活かしていく方向で考えてます。目標はありますが、まだ準備前なので伏せておきます…。
――最後に読者やファンの方をはじめ、これから本作を読むという方へメッセージをお願いします。
皆さんの反響があって、ここまで作品を描き続けられた本当にそう思っております。これからも皆さんのやる気がでるグサっと刺さる漫画が描けるよう、淡々と続けていくつもりです!応援よろしくお願いします!
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