すべての関係は別れの途中 ソン・ヘギョ×チャン・ギヨンの大人の上質なメロドラマに胸キュン<今、別れの途中です>

2023/09/11 18:00 配信

ドラマ コラム

人々のあらゆる“別れ”を描く

「今、別れの途中です」より(C)SAMHWA NETWORK


本作は、監督のイ・キルボク氏が「主演の2人だけでなく、多様な年齢層の人々が出会って愛を分かち合う。20代、30代だけでなく、両親世代のメロもある作品です。そんな、よりリアルなメロドラマを盛り込もうと努力した」と語るように、ヨンウンの親友のチスクとPR会社の社長でジェグクの友人のドフン、同じくヨンウンの親友で元モデルのミスクと夫、そして、ヨンウンの両親など、様々なカップルの変化していく関係性も見どころだ。

これらのカップルも、形は違えど、「別れの途中」だ。人は出会った以上、必ずいつか別れが来る。その別れの瞬間に、後悔や未練が残らないように、ヨンウンとジェグクも含めて、彼らはどう向き合っていくのか。そして、恋愛だけでなく、友達との別れ、家族との別れなど、あらゆる“別れ”に彼らは向き合っていく。視聴者は自分が経験した別れを思い出したり、「自分だったら…」と想像したり、とストーリーに没入できるはずだ。

そして、本作は「お仕事ドラマ」の側面もある。単に舞台がアパレル会社というのではなく、社内のブランド同士の争いや、デパートにおける国内ブランド軽視との戦いなどリアルな事情も描かれる。また、洋服を売るためにどれだけの人が関わり、どんな過程を踏んでいくのかも見え、ファッション業界に興味がある視聴者も楽しめるはずだ。回ごとに冒頭に登場するココ・シャネルやポール・スミス、アメリカ版「VOGUE」の編集長・アナ・ウィンターなどの一流デザイナーやファッション関係者の「名言」も楽しみの1つとなるだろう。

このように様々な要素が詰まった本作は、どんな人でも刺さるポイントが必ずあるはず。そして、ストーリーが進むにつれて没入度が高まり、胸キュンしたり涙したりと、全16回を見終えた後、自分と人との関係、そして“今”を大切に生きようと思えるドラマだ。

◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部