草川拓弥“湊”が西垣匠“慎太郎”と共に思い出をなぞるが…逆に心の距離を感じさせて涙を誘った＜みなと商事コインランドリー2＞

湊は「俺たち友達に戻ろう」と告げる

湊は孝之の話をしかけて、いつもこの話でけんかになるからやめようと言う。

しばし沈黙が流れたのち、慎太郎は湊の手を握ってじっと湊の目を見つめたかと思うと、いきなりプールに倒れ込む。2人してびしょびしょになり、湊が「何やってんだ、バカ！」というと、「思い出せないから、同じようにしたら思い出せるかなって…」と慎太郎。「はあ？」と湊が返すと慎太郎はしょんぼりしてしまう。

湊はほほ笑んで、そこから近寄って来いと言い、慎太郎は言われたとおりに従って「それでこの後は？」と尋ねる。「ここでお前がキスしようとして…」と湊が答えると、そのままキスしようとする慎太郎。湊が「バカ！何ほんとにしようとしてんだよ！」と怒ると、慎太郎は「いいじゃないですか、思い出したいんだから！」と言う。

湊は慎太郎の肩に手をかけて唇を寄せていく。しかし、湊は途中で止めて「やっぱダメだ、できねぇよ。お前が俺と同じ気持ちじゃねぇのに」と言うと「すみません」と謝る慎太郎。「別にシンが謝まんなくていいんだよ」と湊はわざと明るく言い、「うちで服乾かしていくか？」と聞く。

「ありがとうございます。でも、大丈夫です」と慎太郎が言うと、「そっか」と力なく笑って去ろうとする湊。慎太郎がふいに「晃さん」と名前を呼び、湊が驚いて振り向くと慎太郎は「つき合ってたんならもしかしたら名前で呼んでたのかなって」と言う。

「シンはそんなふうに呼ばねぇよ」と悔しそうに言う湊。「もういいよ、シン」と湊が言い、「でも…」と慎太郎が言っても「いいんだって無理すんな」と続ける。不安そうに見つめる慎太郎。湊はうつむいて涙を拭い「俺たち友達に戻ろう。お前の記憶が戻るまでそのほうがいいと思う」と告げる。「でも、俺…」と慎太郎が言いかけるが、「またコインランドリーに遊びに来いよ。俺はいつでもそこにいるからさ。じゃあな、気をつけて帰れよ」と湊は明るく言って去っていくのだった。

記憶を失くしても慎太郎が湊に引かれていっているのがわかるが、記憶を取り戻したわけではないのが辛い。慎太郎が親しげに「晃さん」と以前は呼ばなかった下の名前で呼んだことで、逆に余計に距離を感じさせられたのがとても切なくて泣けてしまった。

※超ときめき宣伝部の正式表記は、ときめきと宣伝部の間に白抜きハートマーク

◆構成・文＝牧島史佳