【漫画】エイリアンvs地雷…予想外の結末を迎える“地雷パニックコメディ”が「いい感じにゆるくて面白い」と話題

2023/09/26 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

こんなはずじゃなかった…ゆのこショウさんの『エイリアンvs地雷』が話題画像提供/ゆのこショウさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は『エイリアンvs地雷』をピックアップ。

地球侵略を目論み降り立った地上で、地雷を踏んでしまったエイリアンたちの掛け合いを面白おかしく描いた本作。作者である漫画家・ゆのこショウさんが8月4日に自身のX(旧Twitter)に投稿したところ、8600以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、ゆのこショウさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

偵察に来たはずが…地雷を踏んだエイリアンに待ち受ける意外な結末とは

『エイリアンvs地雷』より画像提供/ゆのこショウさん


地球人は“邪悪な存在”だとして、宇宙から地球侵略を目論むエイリアンたち。そんな中、地上の実態を調査するべく上層部からの指令を受けた隊長と部下(大)、部下(小)が小型の宇宙船に乗って地球へと向かう。しかし、偵察のため地上に降り立ったのも束の間、隊長が地雷を踏んで動けなくなってしまう。

エイリアンたちが着陸したのは地雷原で、隊長が踏んだのは足を離した瞬間に爆発するタイプの地雷だった。その事実にパニックになるも、助かる方法を必死に探る3人。しかしいい案が思いつかず、部下たちは「今の状況と同じ場面がある映画や海外ドラマを見れば解決できるのでは」という考えに至る。

6時間後、ついに出た答えは“地雷を踏んだ人のところまで行って直接地雷を解体する”方法だった。隊長は部下を説得し解除してもらおうとするも、2人はそれを頑なに拒否。そして、部下の口から「正直に言いましょう」「あなたにはここで死んでもらいます」とまさかの言葉が飛び出す。

部下たちは宇宙船で帰ってしまい、上層部の真の目的を知って一人絶望する隊長。するとそこに地球人の子供が現れて…。

地球侵略と地雷をめぐるエイリアンたちの面白おかしいやりとりを描き、読者の笑いを誘う本作。部下たちによる予想外の裏切りとまさかの展開、そして意外な結末を迎えるラストにSNS上でも大きな反響が集まった。X(旧Twitter)上では「いい感じにゆるくて面白い」「地雷先輩渋くてハードボイルド!」「宇宙人なのに海外ドラマ(笑)」「いい話だ」「少年かわいい」「中間管理職として隊長さんの嫌われっぷりに胃がキリキリとしてきました」など読者から多くのコメントが寄せられている。

洋画や海外ドラマに影響を受けて 作者・ゆのこショウさんの創作背景とこだわり

『エイリアンvs地雷』より画像提供/ゆのこショウさん


――『エイリアンvs地雷』を創作したきっかけや理由があれば教えて下さい。

元々は商業誌に載せてもらう読切漫画を宣伝するために描いたギャグ作品群のひとつで、本作は『深海からの刺客』と『カミングアウト』という後、第3作目として発表した作品です。本作の元ネタは『エネミーライン』という随分昔に見た映画で、うっかり地雷を踏んだ敵の部下をその上役が見捨てて立ち去るというシーンが印象に残っていました。タイトルの元ネタは『エイリアンvsプレデター』だったと思います。

――本作ではエイリアンの隊長と部下、そして人間とのやりとりが面白おかしく描かれていて印象的ですが、物語や世界観を創り上げていくうえでこだわった点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えてください。

物語の構成は描きながら変化していったため、当初考えていた展開とは違うものになったのですが、「地雷は恐ろしい」「それをつくる人間はもっと恐ろしい」というテーマそのものは変わっていなかったような気がします。(それがこだわりと言えるかは分かりませんが)殆ど出オチ感の強いの作品なので、2ページ目の扉絵を見ていただけたらそれだけでも十分なのですが、できれば極限の状況に追い込まれるエイリアン隊長の姿を見守っていただけると嬉しいです。

――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

大体のギャグ作品は大まかなテーマと、是非入れたいギャグやネタがあって、それらを主軸に作品をつくっていっていました。この作品の場合は「地雷の爆風から逃れるためにバリアを貼る」ネタを真っ先に思いついていたので、そのシーンは入れたいなと思っていました。それと地雷先輩が喋る台詞はどことなく雰囲気が出てたので気に入ってます。

――ゆのこショウさんは本作以外にも上述の『深海からの刺客』や『ザ・ミューズ』など、洋画を彷彿とさせるギャグ漫画を多く描かれていますが、創作活動全般においてのこだわりや特に意識している点がありましたら教えてください。

基本的に洋画や海外ドラマ、アニメ等が好きなので、そういった雰囲気がでるように心がけています。例えば過剰にツッコミを入れてしまうとテンポの妨げになってネーム(台詞)も多くなってしまうので、必要最低限にとどめているつもりです。なので読んでくれる人から色々ツッコミをしていただけるのはとても嬉しいです。あとコマ割りや擬音、構図の入れ方などを工夫し、ギャグ漫画としての雰囲気が出るよう努めています。(上手くいってるとは限りませんが…)

――ゆのこショウさんがこれまでに影響を受けた作品にはどんなものがあるのでしょうか?

先述しましたが、基本的に『ハムナプトラ』などのアクション洋画や『フルハウス』などの海外ドラマ、海外のアニメ等(こちらはごく最近)が好きなのでそのあたりの影響を強く受けています。漫画では川原正敏先生の作品が大好きですが、ギャグ漫画の絵柄そのものは防犯パンフレットに描かれているようなシンプルなキャラクターがモデルです。各コマにキャラクターを描くときに「どんな表情が一番合うのだろうか」と常に悩みながら描いてます。

最近はオノ・ナツメ先生『BADON』(スクウェア・エニックス)やシマシンヤ先生の『GLITCH - グリッチ -』(KADOKAWA)、フランスの漫画であるジュリアン・ニールさんの『Lou!』という作品を読んでます。こういった作品のアーティスティックな雰囲気を勉強して作品にも取り入れたい…と思ったりするのですが、多分合わないかも知れませんね。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

現在はコミプレ(ヒーローズ)にて連載作「がごはん」を描いています。同じweb上でも掲載される媒体によって作品画面の印象が変わることを知ったので、コマの大きさや線の太さの調整に苦労しているのですが、これまでネットにあげてきたネタ中心の作品とは異なる、「キャラクター」を重視した楽しい漫画をつくりたいと考えていますので、もしよければ一読していただけると嬉しいです。