ミュージカル「東京リベンジャーズ」出演の佐藤信長「テレビに出る」という芸能のイメージから舞台に夢中になったきっかけ

2023/09/20 11:00 配信

2.5次元 インタビュー

佐藤信長撮影=小山志麻

2016年に俳優デビューし、ミュージカル『刀剣乱舞』やミュージカル「DREAM!ing」などに出演してきた佐藤信長。11月には橘直人役を務めるミュージカル「東京リベンジャーズ」への出演を控える彼に、芸能界を目指したきっかけや俳優としてのターニングポイントなど、これまでの自身についての話題や今後の展望について聞いた。

中学生時代は目立ちたがり「“芸能人”になりたかった」


──芸能界入りのきっかけは「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を受けたことだそうですが、そもそも芸能界を目指したのはどうしてだったのでしょうか?

中学生のときに将来の夢を発表する授業があって、そのときに「芸能人」と言っていた記憶があります。当時は俳優がやりたかったとかではなく、ざっくり“芸能人”になりたかった。とにかく目立ちたかったんだと思います。

──クラスでは盛り上げ役や中心人物だった?

はっちゃけていましたね。うるさくて、よく先生も怒られていました。

──当時、よく見ていたテレビ番組や憧れていた俳優さんはいましたか?

ドラマだと「ROOKIES」とかですね。佐藤健さんや桐谷健太さんが印象的でした。でも、別に「将来の勉強のために」とかそういう気持ちで見ていたわけじゃなくて。本当に、ただはやっていたから。次の日、学校で「昨日の『ROOKIES』さ〜」って話をするくらいの感じで見ていました。

──ぼんやりとした将来の夢だったところから、本格的に芸能界を目指そうと思ったのはどういうタイミングだったのでしょうか?

大学に入って、就活が始まったくらいですね。その頃にはなんとなく「芸能の仕事がしたいな」と思っていたんです。でも、なかなか踏み出せずにいて。

そんなときに、地元の友達が「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を受けて、結構いいところまで進んでいたのを知ったんです。それを見て「自分が動いていない間に、自分の進みたい道に友達が進んだら絶対に悔しい!」と思って、次の年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を受けました。ベスト30まで進んだところで落ちたんですが、そこで火がついて。養成所に1年通った後、事務所に入りました。

──それまでは「なんとなく芸能の道に」という感じだったと思いますが、養成所では具体的に芸能界で必要なものや現実を知ることになったのでは?

そうですね。養成所時代にも何人も辞めていきましたし、養成所の同期で今も芸能の仕事を続けている人は数人。すごく厳しい世界だとは思います。養成所時代は辞めていく同期を見て揺れることもあったんですが、スーツを着て普通に働いている自分の姿が全然想像できなかったんですよね。

あとは、そのとき大学を休学していたのですが、親に「大学は卒業してほしい」と言われていて。それを振り切って養成所に通っていたので、今さら引けないという気持ちもありました。バイトはしていたので、周りの友達が就職して安定したお金を得られるようになってきた頃には「早くバイトを辞められるように頑張ろう」と思うようになって…気付けば今、8年目です。

そうだ、20歳くらいのときにお金もないのに高いバイクを買いまして。その支払いのために頑張らないといけないというのもモチベーションでした(笑)。

佐藤信長撮影=小山志麻


舞台の面白さとテレビ以外の世界を知ったデビュー作


──そして、2016年に俳優デビューを果たします。芸能界を目指した当初は「テレビに出たい」「目立ちたい」というものだったかと思いますが、お芝居というものに対しては最初から楽しめましたか?

最初は何も分からなかったです。しかも、初舞台作品はトリプルキャストだったんです。そのうちの2チームに参加して、しかも二つのチームでそれぞれ違う役をやるという、今考えても大変な出演の仕方だったので、本当に訳が分からなかった。でも、そんな経験はなかなかできないし、「舞台って面白い!」って思ったのも、その作品がきっかけです。

──面白いと思えたんですね。

はい。そもそも宮崎にいるときは、「劇団四季」という劇団があるとなんとなく聞いたことあるくらいの知識で、芸能の仕事といったら「テレビにいっぱい出る」だと思っていました。でも、舞台に出演してみて「こういう世界もあるんだ! 舞台って面白いな!」と思って。そこから舞台のお仕事をやらせていただくようになりました。

──その後、さまざまな舞台作品に出演されていますが、「舞台って面白い!」という気持ちは今でも変わらず?

はい。稽古中は毎回しんどいですけど、板の上に立って本番を迎えると楽しいですね。

──お芝居や舞台のどういうところに面白さや楽しさを感じていますか?

素の僕じゃ絶対に出てこない「俺を見ろ」みたいな気持ちが湧いてくるんですよ。役が乗り移っているのかもしれないですけど。最近で言うと、舞台「ブルーロック」の蜂楽廻(ばちら・めぐる)はキャラクター的にもすごく元気で、出てくるだけでパッと目に付くタイプ。だから、演じている僕自身もみんなに見られていて、その感覚が気持ちよかったです。

──中学生の頃「とにかく目立ちたい」という理由で芸能人になりたいと言っていた、そのときの夢がかなったというか。

そうですね。根本は目立ちたがり屋なんだと思います。

佐藤信長撮影=小山志麻


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