──そうして、最初は見せるべきではない面かもしれないと思っていた姿をしっかり捉えたドキュメンタリー番組が完成しました。まだ放送前ではありますが、見せてよかったなと思いますか?
はい。稽古動画とかで見ることはあっても、なかなかここまでいろいろ動いている自分を見るのは初めてだったので。自分を客観的に見て、しっかり一つ一つと向き合って仕事してきてよかったなと思いました。番組の中で仕事がなかった時期の話もしていますけど、あの頃の自分に言ってあげたいですね、「そのままでいいんだよ」って。あの頃の自分からしたら、こんなに絶え間なくお仕事をさせていただいて、こんな番組まで作っていただけるなんて夢のような話なので。これも番組内で言っていますが、この世界っていつ飽きられてもおかしくない世界じゃないですか。もちろん自分の代わりはいないと信じていますけど、僕よりフレッシュで、僕よりスキルがある人がいたら、そっちに仕事が回っていくのは当たり前だろうし。そうならないために、実力をつけないと生き残っていけない。最近それに改めて気付いて、「この役を演じる上で自分にしかできないことって何だろう」ということを深く掘り下げていく作業をずっとしていたので、こうやって自分を客観的に見て、それが実を結んでいるのかもしれないなと思いました。普段は自分が出ている番組や作品の映像って恥ずかしくてあんまり見ないんですけど、これは2周しました(笑)。
──気に入ったんですね。
はい。めちゃくちゃ気に入っちゃいました(笑)。今回は僕の密着でしたが、僕ら俳優はみんなこうやって真剣に作品に向き合って、大真面目に仕事をしているんだぜっていうことを、他の俳優さんが好きな方にも伝えられたらいいななんて思ったりもしました。僕らや、もっとさらに下の世代の子たちも、みんな若くてできることは少ないかもしれないけど、その中でも精一杯必死に汗水流して1つの作品を作っているんだよって。
──笹森さんのリアルであり、舞台俳優のリアルであると。
はい。本当にそう思います。もちろんいろいろな都合上で使っていない部分もありますけど、だいぶ深いところまで見せていると思います。私事ですが、これを両親に見せたらすごく感動してくれたんですよ。それはすごく嬉しかったですね。両親は僕の活動を応援してくれていて、舞台も全部見に来てくれるんですけど、そんな家族にすら見せたことのないところが多かったので、それも良い機会かなと思って。見せたら母親が号泣していました。俺が笑っちゃうくらい(笑)。親父もニコニコしながら見てくれて。家族には本当に感謝しているので、番組の中でも家族の話は絶対にしたいと思っていましたし、それを実際に両親に見せられてよかったですね。少しは親孝行できたかなと思いました。
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