コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は奈川トモさんの『愛しの故・シャーロット』をピックアップ。
本作は、事故にあったシャーロットが愛する人・ウィリアムにの手によって蘇ったところから物語が始まる。作者の奈川トモさんが7月27日に自身のX(旧Twitter)に投稿したところ、2.9万を超える「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、奈川トモさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。
「ずっと一緒にいよう」そんな約束を交わしていた幼馴染のウィリアムとシャーロット。しかし、シャーロットはいきなり事故に巻き込まれて亡くなってしまう。シャーロットの死を受け止めきれないウィリアムは、運命に抗うかのごとく驚異の行動にでるのだった。
それから2年後、事故に遭って亡くなったはずのシャーロットは馴染のない場所で目を覚ます。驚きを隠せないシャーロットにウィリアムは自分の手で君を蘇らせたと告げた。そんなウィリアムの姿を怖く感じながらも生きていた時の約束を必死で守ろうとしてくれた姿に愛おしさを覚えていた。
ウィリアムの強すぎる愛にはいくつかの不自然もあった。しかし、それでも「君は僕の全てなんだ」と語りかけてくれるウィリアムの深い愛に墜ちていき…
亡くなってしまった愛する幼馴染との約束を守るために罪まで犯してしまうウィリアムの深すぎる愛に多くの読者の心を打った本作。X(旧Twitter)上では「圧倒的純愛」「設定重いのにほんわかする」「やばい最高すぎる」「やっぱりヤンデレいいな…」「尊い」「愛が深いなあ~」などのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。
――『愛しの故・シャーロット』を創作したきっかけや理由についてお聞かせください。
『愛しの故・シャーロット』を創作した当時、商業連載に繋がる作品を作るためにとにかく色んなネタを出していた時期でした。(現在連載中の『お前、タヌキにならねーか?』も全く同じ時期に生まれたものです)
漫画歴が浅かったので自分にはどういう作品が描けるのか自分でもまだはっきりと分からなかったので、とにかく色んなバリエーションでアイデアを出していた中のひとつでした。これまで描いてきた作品やキャラクターとは違ったテイストにも挑戦したいと思って考えたお話だったと思います。
――本作では、純愛を貫くためになんでもしてしまうウィリアムの歪な愛が印象的です。描くうえで特にこだわった点や「ここを見てほしい」というポイントがあればお聞かせください。
人によっては気持ち悪いとか怖いと感じるくらい重たい感情を、軽く優しく、時には笑って受け止められるように見せるにはどうしたら良いかということを慎重に考えました。
ウィリアムはシャーロットがいることで悪人にならずに済んでいるだけの危うい人物として生まれたキャラクターですが、物語が進むにつれて見えてくる彼の本質や過去が作品の要になるので、ぜひそこを一番に注目していただければと思います。
――本作の中で奈川トモさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフはあれば理由とともにお聞かせください。
どのシーンも思い入れがあるので選ぶのは難しいですが、しいてあげるのであれば終盤のシャーロットとウィリアムのやりとりなどでしょうか。
連載開始から好き合っていた二人ですが、その時の感情とは違う成長を遂げている様子や、ウィリアムがシャーロット以外の存在に向ける言動も若干変わって、成長したなぁと微笑ましいような気持ちになれるので好きですね。
――奈川トモさんは本作以外にもほっこりからシリアスまでさまざまなストーリーの作品を描かれていますが、普段創作活動を行ううえでどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
普段からずっと漫画のことを考えているので、どこからというのは正直よく分かりません。日常の中で感情が動いた時や些細なきっかけだったり、それとは無関係なタイミングで急に思いつく場合もあります。それらをネタにして漫画を描いたらどんな作品が生まれるだろうかと突き詰めていったり。
もともとどんなジャンルの作品も好きなので、描く描かないは別としても「これを漫画にした場合、どうしたら面白いものにできるだろう」というのはついつい考えてしまいます。そうやって貯めていったアイデアを思い出して使うことが多い気がします。
――今後の展望や目標についてお聞かせください。
目標は現在連載中の作品を、しっかり最後まで描ききること。読者さんにもこの先のお話も読みたいと思っていただけるよう、今以上に漫画の表現力や作画技術なども勉強して作品のクオリティーを上げていきたいと思っています。
――最後に読者やファンの方をはじめ、作品を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます!相変わらずシリアスもほっこりもギャグもあって時々慌ただしいアクションもある。振り幅の大きい作風ですが、全部含めて根っこのところはデビュー前から今もまだ変わっていません。読んでいてよかったと思えるものになるように尽力していきますので、これからもお付き合いいただけましたら幸いです!
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