数々のヒット作で主演をつとめ、映画史に名を刻んでいる俳優キアヌ・リーブス。これまでコメディやアクション、SFなど幅広いジャンルのヒット作品に出演し、絶大なる人気を得てきた。主演最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』公開間近の今、そんなキアヌが年齢を重ねても迫力の演技を生み出し続けられる源泉と、多くの人から愛される人柄の両面から改めて魅力を振り返る。
キアヌは、1964年9月2日、レバノンのベイルートで誕生。幼少期に好きだったものは、アクション映画。日本のアクションスター・千葉真一への憧れを告白している。
1985年、「Letting Go」で映画デビュー。1994年公開のノンストップアクション「スピード」では、“スピードを時速80キロ以下に落とすと爆発する爆弾”が仕掛けられたバスを救う主人公ジャック・トラヴェンを演じる。緊迫したシチュエーションのなか、スピード違反で免停中にもかかわらず運転を担うことになった女性・アニー(サンドラ・ブロック)との掛け合いが印象的。同作はキアヌ、サンドラ両名にとって出世作となった。
さらに1999年の映画「マトリックス」で世界的な大スターにまでのし上がる。この作品でキアヌは、超人的な能力を持ってAIと戦う青年・ネオを演じた。ネオの容姿といえばサングラスをかけてロングコートを身にまとった、モードなブラックコーデ。身長180cm超えのキアヌがクールに闊歩する姿は、誰の記憶にも焼き付くほど圧巻のシーンだ。
ちなみにキアヌがアメリカのテレビ番組に出演した際、司会者から「もっともクレイジーなスタント」について聞かれたときに答えたのは「46階建てくらいのビルから飛び降りたこと」だという。それも、同シーンは20回ほど撮影したとか。もちろんワイヤーはつけていたというが、20回にも渡って足がすくむような場所から飛び降りられるのは、キアヌがそれだけ作品に対して真摯に向き合っているという証拠だろう。
アクションのトップスターとなったキアヌは、2005年にアクションホラー映画「コンスタンティン」で主演を務める。悪魔や天使が見える特殊能力を持った探偵のジョン・コンスタンティンは肺がんを患っている役柄であるため、キアヌは厳しい減量をおこなって撮影に挑んだ。頬がこけ、瞳に光がなく、生命力を感じない姿はまさに病身の姿。思わず心配してしまうような容姿だが、真摯な役作りへの情熱が、現実離れした役柄に説得力を持たせている。
2015年にはアクション映画「ジョン・ウィック」が公開。最強の殺し屋ジョン・ウィック役をこなすために、撮影前は約4カ月に渡って武術の訓練を受けたという。劇中では格闘技と射撃を融合させた新しいアクション“ガン・フー”を披露。銃を巧みに操りながら攻めていく姿は、訓練の成果が如実に表れた説得力に満ちていた。また同作のプロモーションで日本の情報番組に出演した際、憧れの千葉真一とサプライズで対面。キアヌは「ハジメマシテ マエストロ(巨匠)」と握手をかわし、まるで子どものようなむじゃきな笑顔になる姿が印象的だった。
芝居においてはストイックなキアヌだが、プライベートでは飾らない人柄だ。偶然出会ったカップルの結婚式に現れて記念撮影をしたり、電車の中で大きな荷物を持った女性に席を譲る動画などがSNSで拡散されている。サイン会にやってきた少年には、自身が演じたキャラクターのジェスチャーを披露して楽しませたことも。数々の神対応エピソードが、キアヌが愛される理由のひとつといえる。
そんなキアヌの最新作「ジョン・ウィック:コンセクエンス」が、9月22日に公開される。「ジョン・ウィック」シリーズの4作目で、逃亡者となったジョンが死闘を繰り広げるというストーリーだ。
「コンセクエンス」では、大阪の町が舞台になっているのも見逃せない特徴の1つ。真田広之、リナ・サワヤマといった邦人俳優も出演し華麗なアクションを披露しており、キアヌ演じるジョン・ウィックが「迷惑かけてすまない」と日本語のせりふを発するシーンも登場。これは予告編でも確認することができる。
さらに“宇宙最強の男”ドニー・イェンが盲目の刺客として登場、ジョン・ウィックとの熾烈な戦いを繰り広げるほか、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のビル・スカルスガルドが狡猾な役どころで好演する等、バラエティに富んだ役者陣も魅力となっている。
アクション面もスケールアップ。凱旋門で車に乗ってドリフトしながら発砲、砂漠で馬に乗って走りながらの銃撃。また、階段を激しく転げ落ちたり、ヌンチャクを使うシーンも。59歳とは思えないアクションを連発しているキアヌ。今作でも、凱旋門のシーンのために、9カ月に渡ってドライビングテクニックを磨いたという。どれだけ年齢を重ねても、演じる役に万全の態勢で臨む姿勢は変わらない。
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