ワインブームを巻き起こしたコミック「神の雫」を日仏米の共同制作でドラマ化した国際大型連続ドラマ、Huluオリジナル「神の雫/Drops of God」(Huluにて独占配信中)で、主人公の聡明なワイン評論家・遠峰一青を演じた山下智久。約10カ月かけてフランス・イタリア・日本などで撮影された本作の魅力や役作りに、ワインについてなど聞いた。
――人気コミックの実写化ですが、プレッシャーなどはありましたか?
コミックや小説を実写化するときは、原作のファンがいっぱいいらっしゃるのでプレッシャーと緊張感があります。でも、本作の脚本を読んだとき、「これは『神の雫』のDNAを持った別の作品だ」と思って…。そこからは原作へのリスペクトは忘れないようにしつつ、ドラマならではの世界観を忠実に掘り下げようと意識が変わりました。
――原作からアレンジが加わっていると感じた部分はどこですか?
まず主人公だった神咲雫が女性のカミーユ・レジェになり、主人公が遠峰一青に置き換えられている点です。コミックのデフォルメされた表現よりも実写化したことで、よりリアルになっている気がします。骨格となる部分は原作と共通していますが、新しい一面を描き出せていると感じましたね。映像自体もライティングにもこだわっていましたし、重厚感のある仕上がりになっていると思います。
――演じてみて、遠峰一青をどのようなキャラクターだと思われましたか?
ストイックで好奇心旺盛な面もあるけど、自信がないから弱いところもたくさんある。でも、その時々の自分と向き合い、夢を追いかけていく強さも持っている人物かな。見る人によって見え方が変わってくる、複雑な人間だと思います。
現場では、監督やアクティングコーチ、脚本家と話し合いながら、彼自身が持つワインのような複雑さをひも解いて演じていた気がします。みんなで“遠峰一青”を作り上げていったというのに近かった。撮影中にもせりふがよく変わったりしたこともあり、その瞬間瞬間で一青は生きていた気がします。
――一青を演じる上で気をつけた点などありますか?
この物語は一青とカミーユがワインのテイスティングで競うことになる話が中心ですが、ライバルのカミーユは味覚、嗅覚、センスが常人離れしているんですよ。それに比べて一青は普通の人間、持っているのはワインへの強い思いくらいです。なので、そんな彼を演じるにあたり、味覚や嗅覚を最大限に研ぎ澄ます必要があるなと思いました。
具体的には、普段の食事は鶏むね肉、サーモン、野菜、ゆで卵と少しのライスなどほぼ同じ食材で自炊して、カロリー制限する生活を送りました。そのことで6~7㎏ほど痩せましたが、痩せることで味や香りにとても敏感になって…。勉強のために週に1度、フランスの本場のワインを飲みにレストランに通っていたのですが、そのときの食事は尋常じゃないくらいおいしかった記憶があります。
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