一方、第1話ではアンナの幼少期、まだ両親が生きていた時のエピソードについても描かれている。アンナはイタリアの都市・パレルモに父親と住んでいたが、ローマで感染病が流行していたため、別居していた母親が田舎町へと引き取りにやって来る。父親が好きだったアンナは始め拒否するものの、母親の説得によってついて行くことになった。
それからしばらくして、感染した父親がアンナの元へ命からがらやって来て「アンナに会わせてほしい」と懇願する。しかし母親は部屋の中から「アンナのためにも離れて」「みんなが感染してしまう」と拒否。父親が車に戻るところを見つめるアンナは、幼心に父親の死が近づいていることを悟ったような哀しい表情を浮かべていた。
その後間もなく母親も感染し、苦しみながら生きる術をノートに記していく。そんな母親を見てアンナは「ママ、死ぬの?」と尋ねる。母親は否定せず、「弟の面倒を見て」「このノートを読むのよ」と抱きしめながら告げる。
母親は生きる術を記しつつも、「自分自身で失敗から学ぶこと」「一緒に居なくても、ママは2人を愛してる」「森の外は危険だけど、一緒なら立ち向かえる」と最後にメッセージを残したのだった――。
物語の序盤でアンナが少年の集団がから逃げる際、ピエトロが「“白い子供”は年上だ」「“青い子供”をアンジェリカの元へ運ぶ」「捕まえた大人のキスで“赤”が治るらしい」と話していた。おそらくこの“青い子供”が青いペンキを塗った子供たちの集団を指し、“赤”が赤い病のことを指しているのかもしれない。
また同話のラストには、顔に青いペンキを塗った3人の少年が食料を持って暗闇の中に入っていく姿が映し出された。3人は食料を穴の入り口に置き、穴の奥へ結ばれている鎖を引っ張ると、奥から不気味な生命体が登場。その生命体が少年たちが運んできた食料を貪り食べるところで第1話は終了した。
“青い子供”、そして彼らが飼う謎の生命体…不気味で狂気じみた存在感を放ちつつ、悪役感も漂っていたため、今後彼らはアンナたちの生活を脅かす存在になり得るだろう。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※種崎敦美の崎、正しくは「たつさき」
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