エマ・ワトソンら“実写版ディズニープリンセス”の軌跡 新時代の強く美しい女性たち

2023/09/28 11:10 配信

映画 コラム

黄色いドレスもよく似合う! 実写版「美女と野獣」で主人公ベルを演じるエマ・ワトソン(C)2023 Disney

2023年10月に100周年となるディズニーがアニメーション映画でつづる「シンデレラ」「美女と野獣」など、“プリンセス”の世界は子どもたちの憧れとなってきた。近年は続々とそれらの作品が実写映画化されている。時代に合わせてアップデートされ、俳優陣が体現する、さまざまな魅力を持った実写版のプリンセスたちを振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

ディズニープリンセス実写化最新作は「リトル・マーメイド」


ディズニーアニメーション映画の実写化最新作は、2023年6月に劇場公開され、9月20日から配信がスタートした「リトル・マーメイド」。実姉とR&Bデュオとしても活躍するハリー・ベイリーが主人公の人魚姫・アリエルにオーディションで抜てきされ、ミュージカル作品である本作を澄んだ歌声で盛り上げる。

そして好奇心に満ちたキュートな笑顔だったり、恋にときめくキラキラ感やけなげさだったり、さまざまな表情でまだ見ぬ世界に憧れを抱き、王子との出会いで未来への希望を灯すプリンセスを好演している。

イギリス出身の名優が監督した「シンデレラ」ではリリー・ジェームズが主人公に


「リトル・マーメイド」実写版公開からさかのぼること8年。2015年に劇場公開された「シンデレラ」は、イギリス出身の俳優で、シェイクスピアの戯曲を得意とし、監督や2022年の第94回アカデミー賞において映画「ベルファスト」で脚本賞を受賞した脚本家、プロデューサーとしても活躍するケネス・ブラナーがメガホンを取った。

童話を原作にしたディズニーアニメ版は1950年に公開され、記録的ヒットを果たした。“シンデレラストーリー”という言葉が一般的にも定着したほどに、一般市民の女性がプリンセスへの階段を駆け上る有名な物語だが、実写版のブラナー監督と主演のリリー・ジェームズは新しい命を吹き込んだ。

アニメ版には登場しなかった実母が病で亡くなる前、のちのシンデレラことエラに教えたのは「勇気と優しさを持つこと」。エラは、その言葉を胸に強く生きていこうとする。演じるリリーの優しい雰囲気の中にある意思の強そうなまなざしがそれを表す。

それでもある日、継母とその連れ子である姉たちの意地悪に耐え兼ね、気分転換に馬に乗って出掛けた森で王子と出会うことに。身分を隠してエラと話した王子は、その豊かな心に引かれ、エラもまた王子の聡明さに引かれる。このシーンがあることで、再会の場となる舞踏会のロマンティックさや恋物語がグンと生きてくる。