<らんまん>脚本・長田育恵氏が、最終週の仕掛けを明かす キーワードは「継承」

2023/09/26 07:30 配信

ドラマ インタビュー

神木に対する印象は「唯一無二の方」浜辺については「寿恵子さんを演じる上でこれ以上ない女優さん」


――万太郎を演じる神木さんの印象はいかがですか?

やはり神木さんは唯一無二の方だなと思います。“朝ドラ”の主人公として最高に難しい役を、素晴らしいコントロールで演じ切っていただいていると感じています。言葉の力はもちろんですが、言葉以外のところでも万太郎が思っていることをすごく表現してくれています。

万太郎は、らんまんでありつつ壮絶に孤高な主人公です。孤高だからこそ繋がり合うことの愛おしさや切なさを誰よりも痛感しているキャラクターなので、そこを体現してくれていることが、本当にうれしいですしありがたいと感じています。

――ヒロイン・浜辺さんの印象はいかがでしょう?

寿恵子さんは、大変な道を歩む万太郎に対して、太陽のような、導き手のような、凛々しく、それこそ八犬士のような「寿恵子、トライ!」を続けていくヒーローだと思います。

寿恵子さんの明るい勇敢さと、そしてそこに悲壮感が全く漂っていないところが、寿恵子さんを演じる上で浜辺さんはこれ以上ない女優さんだったと思います。

最終週の仕掛けを明かす キーワードは「継承」


――いよいよ最終週を迎えますが、物語の着地の仕方で特に意識したことはありますか?

最終週は、私の中で割と最初から決めていた仕掛けがあります。そして、最終週では「継承」が大きなキーワードになっています。

牧野富太郎さんが生涯をかけて集めた標本の点数は40万点以上。ただ、この40万点が資料として活用されなければ、標本は生きることにはなりません。活用させたことで初めて、それを元に世界各国と標本の交換ができるようになり、日本の植物分類学の基礎として機能し、絶滅した植物も標本にあたることで辿れるようになっています。

万太郎が図鑑作りを頑張り続けるのは、次の人たちに手渡すため。手渡せなければ意味がないので、最後は“手渡すこと”をとても重要視しています。

オープニングから万太郎は、出会った植物に「おまんは誰じゃ」と語りかけることを繰り返してきています。そして、植物が種を残してまた花を咲かせていくように、語りかけた相手をその先に受け継いでいく。

この物語では、槙野万太郎が、生きとし生けるもの全てのありのままの特性を見つめ、その特性を愛し抜くまなざしが全編を通して貫かれています。全ての登場人物が最後まで自分の冒険を続けていくことになります。それぞれの行方を楽しみに、最後まで見守っていただけたらうれしいです。

関連番組