【漫画】たった1度のインド旅行で価値観は変わらない…そんな主人公の身に起きた出来事に「めちゃくちゃわかる」と共感の声

2023/10/03 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

人生の価値観について考えさせられる『インドに行って価値観が変わらなかった話』が深い…画像提供/まの瀬さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“人生の価値観”をテーマに描いた漫画『インドに行って価値観が変わらなかった話』をピックアップ。

作者である漫画家のまの瀬さんが、2023月7月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、3.8万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではまの瀬さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

人生経験を積み上げる毎に、これまで築き上げた価値観が変化…

『インドに行って価値観が変わらなかった話』(1/8)画像提供/まの瀬さん


物語は男性の主人公とその友人が話す場面から始まる。インドに行った友人は「ほんと180度価値観変わったわー」「お前も行ったほうがいいよ絶対」「ほんと価値観変わるから」と大絶賛。そんな友人からはお土産として、インドの神様・ガネーシャをもらった。

「価値観が変わる」という友人の言葉を聞いたものの、主人公は“絶対インドなんて行かない”と考えていた。なぜなら、価値観は幼少期から現在までの成長過程の中で大切に築き上げられたものだからだ。「その価値観がたった3泊4日の旅行で180度変えられてたまるか」と考えていると、そこに登場したのはお土産でもらったガネーシャ。

主人公の価値観に対する思いを聞き、「そう思うんだったらインドに行ってもいいと思うぞう」「ちょっとインドに行ったくらいじゃ変わらないはずだぞう」と伝える。一理あると考えた主人公はガネーシャと共にインドに行くが、案の定価値観は変わらなかった。その旨をガネーシャに伝えると、それ以降主人公の前に現れなくなるのだった――。

そしてインド旅行から4年後、再びガネーシャが現れる。価値観が変わったか尋ねられると、「ああ、変わったよ 180度な」と言ってこれまでの人生経験を振り返り始めた。

例えば学生の頃は眉毛を剃ったことを注意されたのに、接客の仕事では身嗜みについて注意されたり、幼少期に嘘をついてはダメだと教えられたのに、就職活動で素直な志望動機を述べると不採用になったり、平等に接して順位付けをしてはいけないと教えられたのに、彼女とのデートを優先しないと別れを告げられたり…。

こうして、これまで築き上げてきた価値観は変わってしまったのだ。玄関に倒れこんでいる主人公は、「お前の勝ちだよ ガネーシャ」「全然気づいてなかったけど、あの日からずっと僕はインドにいたんだな」と伝える。そして彼の言葉を聞いたガネーシャは、しばらく黙った後に「は?」と聞き返すのだった。

本作を読んだ人からは、「共感できる部分が多いし、いろいろと深い」「めちゃくちゃわかる」「皮肉が効いてて好きです。素直に生き辛い世の中で僕も苦しいですが生きてます。ありがとうございます」「なんだろう、この切なさは…」「人類ってなんでこんなグチャグチャしたことしてんだろうな。改めて考えさせられた」「ガネーシャが最後に言う『は?』っていうセリフが最高!」などのコメントが寄せられた。

ガネーシャの「は?」というセリフの理由とは

『インドに行って価値観が変わらなかった話』(6/8)画像提供/まの瀬さん


――『インドに行って価値観が変わらなかった話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

「インドに行って180度価値観が変わった」という話を聞いて、「旅行くらいで180度価値観変わったら怖いだろっ」という感想を持ったのがきっかけです。僕の価値観はインドに行って180度変わることはないだろうという自信がありますが、行ったことがないのでほんとに行ったらどうなるかわかりません。

――本作では、主人公の「あの日からずっと僕はインドにいたんだな」という深いセリフと、それに対してガネーシャが「は?」と返すシーンが印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

最後のシーン、主人公からすると社会に出て価値観が変わっていく経験をしているので、「価値観が変わった」ってことは「インドにいたんだ」と感じているのですが、それを知らないガネーシャからしたら「は?」ですよね。注目してほしいポイントもこのシーンで、ここで少しでも笑ってもらえたら嬉しいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

気に入っているシーンは主人公とガネーシャがタージマハルで写真を撮っているシーンです。個人的には背景含め可愛く描けていると思います。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

寝ながら思いつくことが多いです。昔から寝る前にその日のことを色々思い出して眠れないということがあって、そういうとき思い出す出来事をどんどん非現実的な方向に歪めていくと、うまく夢に入れるということに気づきました。その現実と夢の間でストーリーを思いつくことが多いです。

――まの瀬さんの作品は、世の中の身近な悩みや問題をテーマに、オリジナリティ溢れるストーリーで読みやすい内容に仕上がっていて、さらに読者に“気づき”を与えるような展開も魅力的に感じました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

ありがとうございます!作画自体は苦手なので、意識していることといえば、なるべく上手に見えるように描くことぐらいです。下手なので結構描き直します。

――今後の展望や目標をお教えください。

今の連載が売れてくれると嬉しいです!あとは今兼業でやっているので、できれば専業漫画家になりたいと思っています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

漫画を読んでいただきありがとうございます!X(旧Twitter)の漫画については、完全に皆さんのいいねやコメントだけがモチベーションになっております。