――いろいろな現場に入られている浅田さんが感じる、日本の創作現場の現状はどんなものでしょうか?
私はインティマシー・コーディネーターとして働いて3年になりますが、始めた頃よりは皆さんのハラスメントなどに対する意識が高くなってきていると感じます。特に、映画や配信系の制作現場では、リスペクトトレーニング(ハラスメント予防のためのワークショップ)がマストになってきているところが多いので、たくさんの方が講習を受けられています。私は「誰でもノーと言える現場」をすごく大事にしているのですが、自分が「間違っている」と思ったらそう口にしやすい雰囲気は、昔よりは徐々に生まれてきていると感じます。
――2.5次元に限らず、グランドミュージカルなどの舞台作品でも今後、インティマシー・コーディネーターの参加は一般的になっていくのでしょうか。
昨年「ミス・サイゴン」に参加しました。そのような作品の場合、すでに完成形がある作品のローカライズなので、今回のような一から作り上げる作品とは違う関わり方でした。それでもインティマシー・シーンを演じられる皆さんの不安に寄り添い、サポートしていたので、安心して演じられたという効果はあると思います。
――最後に、浅田さんがこのお仕事をされる上での夢を教えてください。
私は舞台も映像も、エンターテインメントが好きでこの仕事をしています。一つでも多くのいい作品に出会えたらと思っています。いい作品にはいいお芝居が必要です。インティマシー・コーディネーターがそのお芝居の部分を少しでもサポートできたらと思います。そのためには今の人数では絶対に足りないので、インティマシー・コーディネーターを増やすこと、そしてどんな作品でも、インティマシー・シーンがあるのであればコーディネーターがクレジットされていることが普通になるようにしていきたいと思っています。
■取材・文/WEBザテレビジョン編集部
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