爆笑問題も脱帽 カーボーイを支えるネタ職人の底力

2017/07/28 09:48 配信

芸能一般

TBSラジオ「JUNK 爆笑問題カーボーイ」は放送20周年を迎えた

7月25日深夜、TBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」は、「20周年記念 キング集結スペシャル」と題して、50人のリスナーを前に公開生放送を行った。9人のネタ職人が顔をそろえたスペシャルな夜に明らかになったのは、彼らの投稿ネタ作品が、時を経ても色あせない真の傑作であり、番組を支える存在であるという事実だった。

番組初の公開生放送に、爆笑問題太田光田中裕二)の2人もスタート前から興奮気味。1:00直前、スタジオに流れていたTBSラジオで「(ウクレレ奏者)オータサン ジャパンツアー2017」の告知が入るという神がかった偶然があり、「来日しちゃうの?」(田中)という爆笑のままオンエアが始まった。

田中は第一声で「どうもこんっ・・」とのどを詰まらせ、番組タイトルを口にしても声が上ずる高揚ぶり。片や太田は、「このスタジオでやるのは初めてだから。銀河スタジオ」とうそぶいたり、おもちゃの拳銃でキングや観客を撃ってみたり(爆笑問題ファンはよく知る太田の楽屋での振る舞い。あいさつに訪れた共演者をおもちゃの銃で撃つのが恒例)。「みんな常連さんなんで、銃で撃ってやろうかと思って、持ってきました」という太田を、観客は拍手と嬌声で盛り立てた。

スタジオに招かれたネタ職人は、ステイゴールド、ねづっち、あなたの肉野菜、藤田悦史(藤田ハル)、公園のロケット、ファンタスティック原田、ビル山崎、老婆の肛門、犬大丈夫の9名。「爆笑問題カーボーイ」が、毎年年末に開催している、その年のナンバー1ネタ職人を決める「メールNo.1グランプリ」で優勝した歴代キングたちだ。

番組は、ネタ職人を3人ずつステージに招き、番組を聞き始めたきっかけや投稿を始めたきっかけを紹介し、続いて自身の好きな投稿ネタをあらためて聴いていく形で進行した。トークでは、「ステイゴールドが番組の回数カウント間違いに気づいた」話で盛り上がり、ねづっちが「えつっち(藤田悦史)のことは意識していた。何回も会ってるのに目を合わせてくれない」と嘆く場面も。また、ねづっちは、お得意のなぞかけも披露。「カーボーイ20周年とかけて、ストレスとときます。そのこころは、祝いたい/胃は痛い」とうまい事言ってみせた。

かつては1週間に100通ネタを送っていたというファンタスティック原田。公園のロケットは、始めたきっかけを「大学卒業間際、就職活動も何もせず、このままではだめだ。何かしなきゃ。よし、カーボーイにメールを送ろう」と思い立ったとまとめ、「違うだろ! 絶対間違ってるよ‼‼」と田中に激しく突っ込ませた。

「歴代チャンプの中で抱かれるなら?」という質問では田中が「藤田かなあ。いちばん攻めなさそうだし」と回答。犬大丈夫登場時、田中が「犬は先に死ぬってラジオネームもいたよね」と言うと、それが公園のロケットの別名だったことが判明。「あいさつの文で田中さんをいじるネタだけは、湯水のごとく浮かびます」という老婆の肛門は下ネタが得意だが、「IKURAちゃんの格言」では採用されていないという意外な事実も明らかになった。

9人のキングたちは以下のネタをセレクト。

▽ステイゴールド:2009年5月12日放送「CD田中」安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE? 」×「ところが3人いるんだよ」

▽あなたの肉野菜:2006年10月3日放送「ザ・ガール」ボンドガールのネタ

▽ねづっち:2007年2月6日放送「皆でうまい事言おう」ねづっちと女性の寸劇 抱き合う2人シリーズ

▽ファンタスティック原田:2009年12月29日放送「妙に変だな~」洗濯乾燥機を冷蔵庫と間違える話

▽公園のロケット(RN:チャーミ―):2015年10月25日放送「思っちゃったんだからしょうがない」ネコと人間が対立したら田中はどちらに付くか

▽藤田悦史(藤田ハル):2007年2月13日放送「皆でうまい事言おう」ねづっちが悔しがった伝説のネタ「高田万由子が全裸になれば旦那がパンツをはかせたろう」/2010年2月16日放送「妙に変だな~」稲川淳二本人が読んだカップラーメンのネタ

▽犬大丈夫:2016年2月23日放送「僕たちはまだ知らない」バイト先の兄貴分ゴリラさん(モリヤさん)の話

▽老婆の肛門:2015年2月10日放送「思っちゃったんだからしょうがない」泉ピン子ってうんこしにいくとき、周りの人に「ちょっとうんこ、えなりだしてくる」と言う

▽ビル山崎:2016年1月12日放送「私も福山歌ってみました」いつかワタミの社長によく似た・・・ / 2013年11月12日放送「担当大臣」ワイプで表情が変わらない担当大臣・ビートたけし

中には10年以上も前に投稿されたネタもあるが、あらためて今聴いても大爆笑を誘う出色の作品群。番組ではそんな作品を「殿堂入り」と称して、繰り返しオンエアしているが、聴取耐久度の高い、いつ聴いても笑えるネタの数々は、ネタ職人たちの底力を感じさせた。

CM中、田中は「昔の音源は懐かしいねえ。思い出すよね」と感慨深げにぽつり。2人が客席に「(投稿の)常連いるの?(来ているの?)」と呼びかけると、会場にはたくさんの常連ネタ職人が。彼らがラジオネーム(ひろだ☆つの、うんのはるか、桜海老太郎、この世界の片桐仁)を口にするたびに、スタジオ内は「おー!」というどよめきに沸いた。

また、リスナーでマトリョーシカ作家の市川森作さんが作成した20周年記念グッズ、爆笑問題のマトリョーシカ「バクショーシカ」も披露された。田中も太田も入れ子を一つ一つ確認しながら、その作りに驚きと喜びを口にした。1体作るのに1か月くらいかかるというこのマトリョーシカは10名にプレゼントされる。

さらに音楽パフォーマンスユニット・溺れたエビ!が作曲した20周年記念曲も披露された。聴いた田中は「(今使っている曲と)おんなじじゃねーか」と言いつつ大笑い。溺れたエビ!からの曲名を付けてくださいというお願いに太田は、「『バカの散歩』でいいんじゃない。略してバカ散歩」と当意即妙の命名をしてみせた。新曲は今後番組内でちょくちょく使われることだろう。

カーボーイの魅力とこれまでの歴史が凝縮された2時間の公開生放送は大爆笑のうちにエンディングへ。太田は「あっという間だったね。このかんじで24時間やったら?」と満足そうに感想を。放送後にも「また、年に一回くらいできたら」と期待を抱かせる言葉を残していった。