龍司が立ち止まると、天は龍司の肩を抱いて「だからさっきみたいな強引なの、ときめいちゃうからさ」と明るく言って歩き出す。龍司は「海堂さん」と呼び止め、天が振り向くと「茶化さなくていいすよ」と言う。
天がなおも明るく「別にそんな真面目にする話…」と否定しかけて、龍司の真剣なまなざしを見て口をつぐむ。沈黙が流れるなか、天のアイスが溶けてボタっと落ちる。天がおいしかったのにと落ち込んでいると、龍司が「海堂さん、あれ見て」と声をかける。
天が顔を上げるときれいな夕日が沈むところだった。天が携帯で夕日を撮り始めると、龍司が天の携帯を借りてカメラを向け、手の位置や口の位置を細かく指示する。
「良いの撮れた!」と龍司が言う写真は、アイスのコーンの上にちょうど夕日がのってそれを天が食べようとしているように見える映え写真だった。天はそれを見て「夕日アイス!俺こういうの大好き!」と破顔する。龍司は「良かった、喜んでもらえて」と笑うのだった。
恋のはじまりを予感させるような、龍司と天の爽やかな江ノ島デートに胸がときめいた。
◆構成・文=牧島史佳
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