それからコツコツとキャリアを重ね、2021年に「イカゲーム」に出演。世界的大ヒットにより、Instagramのフォロワー数が30万人から375万人まで急増した(2023年10月現在は1000万人超)。いきなりライジングスターとなり、嬉しい反面、関心の波が引いた時に傷つきたくなくて、決して浮かれなかった。
「ワールドスター」「セクシーガイ」ともてはやされるのが嫌でたまらず、「もう1回言ったら…」と、友達に怒っていたんだとか。でも、「どうせ2カ月後には忘れられるんだから、少しでも楽しもう」と考えを変えて、「オレたちの中で“セクシーガイ”は、オレしか居ない“と、フザケられるようになったそう。
そう思えるようになったのは、「イカゲーム」の後に出演したドラマ「バッド・アンド・クレイジー」の影響が大きいようだ。この作品はアクションコメディーで、彼は主演のスヨルの別人格“K”を演じた。自称“正義のヒーロー”で破天荒。そして、人間ではなく“人格”。これまで様々な役を演じてきた彼にとっても難しくて大きな挑戦だった。
「コメディーが上手な俳優になりたい、と思ってましたが、演技をする時は毎日のように練習室に行っていた僕は自分自身を解放する方法がわからず、あまりにも難しかった。いつも冷たくて硬く強い感情だけ表現していて、それを破りたいという目標がありました。Kは、賢そうに見えなければならず、また、テンションが高くて子供っぽい部分もあり、可愛くて軽くて弾む演技が序盤は難しかったけど、ある瞬間からハジケました。いつもあった恐れや強迫観念がなくなっていき、ラクになりました。面白く見せるアイデアも浮かんできて、自ら殻を破ったようです」と、“演じる楽しさ”を知り、手ごたえも感じた様子。
「Kに会って、本当に大きな悟りを得たし、今後、俳優として自分の歩みや演技にどんな変化があるのか、期待とときめきが生まれました」と、大きなターニングポイントになった作品だと振り返る。
以前はインタビューに対しても、「もしおかしな返事をしたら…」と、とても不安で、質問を事前に受け取り、返答を書いて臨んでいたが、今は「楽しくやればいい」という気持ちで自分の考えを話せるようになったんだとか。しかし、「常に作品が始まる前にストレスを感じて眠れない部分は、自信が付いてきても簡単には直らないようです」と、変わらないストイックな部分も告白している。
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