s**t kingz(シットキングス)からのメッセージ〜ダンサーを目指す10代へ〜

2017/07/27 11:30 配信

芸能一般 インタビュー

【写真を見る】2017年、結成10周年を迎えるダンスチーム・s**t kingz。11月にはBillboard Live TOKYO・OSAKAで単独公演を開催する撮影:キセキミチコ_KISEKI inck


三浦大知、BoAなどのバックダンサー、V6、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、SHINee、EXOといったアーティストの楽曲の振り付けを数多く手掛ける一方、単独公演や世界各国でワークショップを行うなど、ワールドワイドに活躍しているダンスチーム・s**t kingz(シットキングス)。今回のインタビューでは、いまの10代ダンサーに対する印象、これからダンサーを目指す人たちが必要なことなどについて聞いた。

一人では限界があるかもしれないけど、一緒に活動する仲間がいればどんどん広がる


──s**t kingz のみなさんは、全国各地でダンスのワークショップを行っています。ダンサーを目指している10代と接して、どんなことを感じますか?

kazuki ダンスの実力に関しては、自分たちが10代の頃よりも余裕で上手いですね。技術がしっかりしている子が多いし、そこに「こういうことがやりたい」というビジョンが加わればすごいことになると思います。ちょっと踊れるくらいでは目立つのが難しいから、そこは大変かもしれないですね。

shoji いま19歳から21歳くらいのすごいダンサーのことを“第1次スーパーキッズ世代”って呼ぶみたいで。8月にその世代のダンサーと一緒にオランダでショーをやるんですけど、リハーサルの予定を組んでると「そのあたりはチェコにいて」とか「インドに行くかもしれないので、ちょっとわからないです」なんて言うんですよ(笑)。海外のダンスバトルで優勝したり、教えに行ったりしている子もいて、しっかり世界が見えている。自分たちの世代にとってはもはや異次元ですよね。

Oguri そうだね。

──ダンス人口は日本だけではなく、世界中で増え続けてますからね。活躍の場が海外に広がるのも当然かもしれません。

shoji 特にヨーロッパではダンス人口が爆発的に増えているんですよ。いまは世界中に活躍のチャンスがあるし、可能性はすごく広がってると思います。逆に言うと海外のダンサーが日本で活動する可能性もありますね。

「これからも気持ちをオープンにして、いろんなことにチャレンジしていきたいですね」(shoji / s**t kingz)撮影:キセキミチコ_KISEKI inck


──やはり一度は海外に行くべき?

Oguri めちゃくちゃ大事だと思いますよ。10代の頃って、そんなに先のことまで考えられないじゃないですか。とりあえずバッと行動してみて、20代になってから考えてもいいんじゃないかなと。

kazuki 踊らなくても、海外に行くのはすごくいいことだと思います。「しっかり準備しないと」と考えてる人もいるだろうけど、とりあえずホテルだけ予約して行っちゃうのもいいんじゃないかな。俺は10代の時“海外で踊るのはカッコいい”って思ってたんですよ、シンプルに。高校を卒業する直前にNOPPOとアメリカに行ったんですけど、帰ってきて友達に「アメリカで踊ってきたの? すげえじゃん」って言われるのも嬉しくて(笑)。

NOPPO 視野が広がりますからね。さっき言ったように海外で活躍するダンサーも増えてるし、実際に向こうに行ってみることで「こういう方向もあるんだな」ということにも気づけると思うので。

──フィジカルの面でハンデはないですか?

Oguri なくはないけど、それほど問題ではないと思います。

shoji 幸いなことに「同じ振り付けで踊って、誰が一番かを決める」ということではないので。全員が自分のフィジカルに合ったクリエイティブをしていると思うし。

Oguri ウェーイ! カッコいいね。

shoji うるさいよ(笑)。

L to R / shoji、NOPPO、kazuki、Oguri撮影:キセキミチコ_KISEKI inck


──これからダンサーを目指す人たちには、どんなことが必要だと思いますか?

NOPPO やる気といい仲間かな。一人では限界があるかもしれないけど、一緒に活動する仲間がいればどんどん広がるし、そのぶんいろいろな経験ができるので。俺もそうだったんですよ。一人でやってたら、海外にも行ってなかったんじゃないかな。

kazuki 10代の人たちは「どうすればダンスで生活できるんだろう?」って考えると思うんですよね。「s**t kingzみたいなダンスをやってたら、誰かに振り付けするチャンスがあるのかな?」とか「でも、俺はブレイカーだしな。ブレイキングで有名になるためにはやっぱりバトルかな」とか。そういう悩みに対してどうアドバイスしたらいいかは、ちょっと正解はないんですけど(笑)。

──(笑)。s**t kingzの場合は、まず自分たちがやりたいことをやって、その活動のなかでチャンスを掴んできたわけですよね。

kazuki そうですね。僕が10代の頃はTRFのSAMさんがいろんなところで振り付けをしたから、「自分もSAMさんのようにジャズやハウスをやれば、バックダンサーになれるのかな」って思ってた頃もありました。でも、結局ジャズはやらなかったし、いまもハウスを踊っているわけではなくて。時代はどんどん変わるし、これからもどう変わるかわからないので、やっぱり自分の好きなダンスをやったほうがいいと思いますね。

shoji ブレイクダンスで世界一になったISSEIみたいな人もいるしね。あとは、英語もやっておいたほうがいいでしょうね。ダンスは共通言語だし、フロアで踊ってる時は英語が出来なくても大丈夫なんですよ。でも、次の日の朝、ごはんを食べる時に英語ができなかったらつらいじゃないですか。会話することでいろんなダンサーとの関係を作ったり、考えを深めることも大事なので。例えば、1か月海外でツアーするとして、英語が喋れなかったらストレスはハンパないと思うんですよね

Oguri ダンスに関する知識をもつことも大事かもしれないですね。いま流行ってるダンスがすべてではないし、そのルーツだったり、古いダンスを知ることで「どう変わってきたか」ということもわかると思うんですよ。特に若い時はできるだけ視野を広げて、貪欲にいろんなことを吸収してほしいなって。

──s**t kingzは、いまも新しいトライを続けてますからね。11月には結成10周年を記念したショーを東京・大阪のBillbord Liveで開催(「10th anniversary show in Billboard Live」)。

shoji 生バンドと一緒にやるショーなんですが、これまでの楽曲も新たにアレンジしたり、音楽とダンスの融合を楽しんでもらえると思います。これからも気持ちをオープンにして、いろんなことにチャレンジしていきたいですね。

s**t kingz(シットキングス)撮影:キセキミチコ_KISEKI inck


(撮影 / キセキミチコ_KISEKI inck 取材・文 / 森朋之)

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