【漫画】同じ"推し"を語るのに性別なんて関係ない…まさかな流れで広がった交友関係に反響続々「展開が…よめねえ」

2023/10/19 10:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

なにかを好きになるのに性別は関係ない…おくらさんの『推し友』が話題画像提供/おくらさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はおくらさんが描く『推し友』をピックアップ。

性別を超えて同じ"推し"という仲でつながる男女を描いた本作。作者のおくらさんが2023年9月19日に自身のX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2.9万を超える「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事ではおくらさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。

性別を超えて”推す”という同じ目的でつながった友情が「素敵な世界」と注目の本作

『推し友』より画像提供/おくらさん


とある男子学生が"推し"である同級生の雪平くんを窓から眺めていると、隣にいた女子学生からも「はぁ…雪平様…」という声が聞こえる。女子学生の2人が語る雪平くんのイメージについつい共感していると、それに気づかれてしまった。

恥ずかしくなりその場を離れようとするも、女子学生から「きみ 雪平玲が好きなの⁉」と聞かれてしまう。おろおろする男児学生だったが、女子学生は「雪平様のいいところあたしに語って!」とさらに畳みかける。

まさかの反応にはじめは驚いた男子学生だったが、推しへの気持ちは性別など関係ないようで…。

”推し”によって純粋な友情が芽生え、交友関係が広がっていく様子を描いた本作。X(旧Twitter)上では「可愛くて共感しかない」「なんて素敵な世界」「展開が…よめねえ」「こんな仲間欲しい」「すごいスッキリした!」「最後のコマたまらん」などのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

「キャラクターが多いので、それぞれの描き分けを意識して」作者・おくらさんが語る創作の背景とこだわり

『推し友』より画像提供/おくらさん

――『推し友』を創作したきっかけや理由についてお聞かせください。

数年前からとあるアイドルグループにハマっているのですが、同じくそのグループを好きな人と、グループや自分たちの”推し”について語り合うのはすごく楽しいなと感じていました。

”推し”ができたことで友人が増え交友関係が広がったという僕自身の経験から、こういう楽しさを描けないかなと思って、このお話を考えました。

――本作では”推す”という同じ目的でつながる性別を超えた友情が5ページにまとめられています。本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見て欲しい」というポイントがあればお教えください。

「男の子が男の子を好き」という状況が描かれているのですが、作中の女の子はその点について驚いたり疑問を持ったりしません。

なにかを好きになるのに性別は関係ないし、どんなセクシュアリティだとしてもそこをフォーカスしなくてもよい、その先にあるお話が描きたいと思っています。

――本作の中でおくらさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。

「雪平様のいいところあたしに語って!」と言われた男の子が、恥ずかしがりながらも語り出すシーンが気に入っています。

彼も誰かと推しについておしゃべりしたかったんだ、というのが溢れ伝わる表情が描けたんじゃないかなと思っているので、読む人に伝わっていたら嬉しいです。

――おくらさんの作品は全体的に温かみのある描写や親近感のわきやすいキャラクターが印象的です。作画するうえで意識していることや気を付けていることがあればお聞かせください。

いくつかありますがひとつ挙げるなら、なるべくシルエットで誰かわかるようなキャラクターデザインを心がけています。

今作だと、友達になる3人が並んだときにバランスがいい感じになるように、身長や髪型などの特徴を考えました。

――おくらさんは本作以外にも『うちの息子はたぶんゲイ』(スクウェア・エニックス)など性別の枠にとらわれない作品を多く描かれていますが、普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

こんな人物がいたとして、こんな人物と出会ったらどうなるかな、仲良くなるかな、どんな会話が生まれるかな…ということを考えていくうちにお話ができていく、という感じが多いです。

性別の枠、というものを特に意識しているわけではないですが、どんな性別・セクシュアリティの人にも楽しんでもらえるものが描けたらいいなと思っています。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方々へ、メッセージをお願いします。

できる限り丁寧に誠実に、読む人の記憶に残るようなものをつくっていきたいと思っています。

これからも応援してもらえるように、そして楽しんでもらえるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。