今年、NETFLIXに配信されて世界で“最恐ホラー”として大ヒットした「呪詛」をはじめ、10月13日(金)から都内でリアル×オンライン一体型台湾映像フェス「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」が開催されるなど、台湾コンテンンツがじわじわと盛り上がりを見せている。WEBザテレビジョンでも、そんな台湾映画・ドラマの特集を展開。インタビュー第一弾では、大ヒット映画「呪詛」について、ケヴィン・コー監督に話を伺った。
――「呪詛(邦題)」は、その恐ろしさでNetflixはもちろん、日本でも大変話題になりました。台湾ではどのような反響がありましたか?
昨年、台湾で大きな反響を呼び起こしました。僕自身も予想していなかったです。『呪詛』は、台湾オリジナルホラー「史上最高」の興行収入を記録しました。視聴時間に関しては、Netflixの非英語映画のカテゴリーで世界第3位の成績を収め、これは台湾映画がNetflixで達成した最高記録だと言われています。反響は大きく、また、台湾で最大の映画賞「金馬奨(きんばしょう、金馬賞)」では13部門にノミネートされ、これは金馬奨におけるホラー映画の最高記録です。
――「呪詛」は、実際の事件がヒントになっているそうですが、なぜ「呪い」を題材にしようと思ったのでしょうか?
「有毒な」臭いと、近づくだけで嫌な感じがするような映画を作りたかったので、呪いのテーマを選びました。全体的に不吉な雰囲気の映画にしたく、できれば「聞くだけで」有毒だと感じさせるようにすれば最高だと思いました。
――監督にとってどういう映画が恐怖の映画でしょうか?どのような映画を目指してつくられたでしょうか?
ホラー映画はそれぞれ独自の恐怖を追求しています。監督が映画で伝えたい「恐怖」を明確に理解し、その恐怖に焦点を当てて拡大する限り、優れたホラー映画になるでしょう。そのため、僕の理想は、今後自分で制作する恐怖映画でいろいろな「恐怖」の視点を見つけ、観客に新鮮な体験を提供し、異なる恐怖を探求することです。
神、宗教、呪い…「観た後に呪われる映画」を目指した
――「呪詛」は邪悪な宗教が題材になっています。宗教を題材にした狙いは?
アジアでは、路地やアパートの間には未知の小さな神社や宗教施設がよくあり、さまざまな神話や噂についての逸話もあります。しかし、幼い頃から親や祖父母には「これらのことについては多く問わないほうがよいし、話題にしないほうがよい」と教えられました。なぜなら、神様にとって不敬に当たるからです。このような、好奇心と恐怖心が交差する感覚は、私にとって強烈な印象を残しました。幽霊の呪いよりも、神様の呪いの方が圧倒的な抑圧感を持っていると感じます。
――日本にも「呪い」はあります。台湾の「呪い」はどういうものでしょうか?
それは…詳しく知らない方が良いですね(笑)。
――なぜ、フェイク・ドキュメンタリーという手法を取ったのでしょうか。
最初のアイデアは、“観た後に呪われる映画を作る”ことでした。『呪詛』の恐怖が非常に直感的であることを期待しています。観客にとって、単に家やパソコンの中に映画のファイルを持っているだけでも不吉な感じがするようにしたかった。映画そのものが、亡くなった者が残した衣服のように感じられるようにしたいです。恐怖がストーリーの枠を超えて浸透してくるようにするために、ファウンドフッテージの手法こそ最適な選択肢と思いました。
――「呪詛」をはじめ台湾のホラー映画は「人間が怖い」「リアリティ」が恐ろしいと感じます。台湾発のホラー映画がなぜこんなにも怖いと思ってしまうのでしょうか。
多分、台湾人みんなは頭の中に怖い話ばかりかなぁ?私もわかりません(笑)。
――台湾の方達はジャパニーズホラ―が好きとお聞きしました。監督も、伊藤潤二さんのホラー漫画が大好きとのことですね。伊藤潤二さん作品の魅力はどんな点でしょうか?また、それが監督の作風にも影響がありますか?
伊藤潤二先生の作品が大好きで、毎作必ず購入しています!先生の作品は特別な魅力があり、何度読んでも飽きることなく、じっくりとした恐怖を味わうことができる作品です。伊藤先生の恐ろしいストーリーは、どれも独特の恐怖視点を持っています。
――日本のホラーと台湾のホラーではどのような違いがありますか?
自身の見解では、ジャパニーズホラーは歴史が長く、さまざまな恐怖のタイプが派生しており、技術も非常に成熟しています。一方で、台湾のホラー作品は近年で初めて進んでいる段階であり、さまざまな可能性を試している最中です。そのため、非常に柔軟性があるんだと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)