今回は、ファンの間でも名作と語り継がれているストーリー「ぞうとおじさん」と、「ドララ~♪」の声がキュート過ぎるミニドラの活躍を描く「ぼくミニドラえもん」という、リニューアルにふさわしいラインアップ。
今回から、2016年公開の「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」などで監督を務めた八鍬新之介氏が監督に、さらに2015年公開の「映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記」で監督を務めた大杉宜弘氏がチーフディレクターとして参加。
背景が水彩調からポスターカラー調へ変更し、より濃厚な描写となるという触れ込みだったため、さてどんなもんじゃろうと思っていたが、なかなかどうして、どこか映画のドラえもんを見ているかのような力強い描写だ。
八鍬監督も「背景に力を入れています。ポスターカラー調にし、ディテールも調整が効くような振れ幅のある背景にしています。ドラマでいうライティングのように、光の演出ができるようにし、感情の機微や心象風景がより丁寧に描けるようになります」と語っていた通り、「ぞうとおじさん」の方では爆発のシーンの破壊力も満点だったし、何ならタイムマシンで過去にさかのぼる異次元空間の中も今まで以上に美しかったように思う。
とまあ、そこまで「ドラえもん」をずっと見ていたわけではないので、熱心なファンの方に「このタヌキが何を偉そうに!」と言われたら、もう何も言えねえ。
さておき、今回は何と言ってもぞうとのび四郎おじさん、そしてぞうと飼育員の方のおじさんとの絆がまた泣ける。ドラえもんの世界の動物はいつも愛にあふれているのだが、今回のハナ夫もまた愛にあふれたキャラクターで、持ち前のハナを使ってある人物を助けるくだりは、号泣!
あとは勝手に「ドラえもん」あるあるだと思っている、いついかなる時代のどこにでも、ジャイアン風のガキ大将と、その“太鼓持ち”に口がとんがったスネ夫感のあるキャラクターがいて、のび太の親類をからかっているという流れや、TPOをわきまえた、とても“都合のいい”ひみつ道具が存在するあたりは、いつものドラえもんワールドでホッとした。
バイクでワーワー言いながら暴走するあたりもドラえもんらしく、映像などは新しくなった感じをすごくよく見て取れるのに、古き良きドラえもんのセオリーは崩さない。これは、この先、いかに文明が発達しても、たとえドラえもんが生まれた年になったとしても、決して変わらないのではなかろうか。
「百年先も愛を誓うよ」と、ある国民的アイドルグループさんが歌っていたが、百年先もドラは変わらないんだろうなと、感じずにはいられなかった。
個人的には、やっぱり子供の頃に見てよくまねをしたミニドラが久々に見られてとても感慨深い。どこでもドアもタケコプターもミニサイズでかわいらしいんだこれが。あんなに小さかったらそりゃ入れないよなあ。
ん? おまえはそもそもミニサイズだから入るだろって?
誰がミニ記者だ!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)