松下洸平“椿”の家が「2人組になれなかった4人」の居場所に 再会した4人の会話劇に共感集まりトレンド入り<いちばんすきな花>

2023/10/20 11:35 配信

ドラマ レビュー

“忘れ物”がつなぐ4人


「2人、気まずいですね…」と言う紅葉に同意した夜々は、「2人じゃなくなるには3人になればいい」と椿の家を訪れた。前回、もう一度来ることがないように忘れ物はしないでと椿は告げていたが、夜々は美容室の客として来た椿に渡したものの捨てられていたサービス券を“忘れ物”として口実に使った。

そして「よく来ましたね。あんな変な感じになったのに」と話す椿に、「しゃべりやすかったから」と紅葉。それに椿も小さな声で「分かります」とうなずいた。トラウマを掘り返されたようでキツかったのは確かだが、後になると“言葉”にできたことが良かったという思いが一緒だった。

そこで紅葉は、ゆくえを呼び出した。4人掛けのダイニングテーブルで、前回のゆくえの“席”が空いていたからだ。

ゆくえは「また私だけ思ってること違って」怒らせてしまったと、手土産を持って慌てて駆け付けるが、勘違いだと分かって安堵。4人は、再び会話をするひとときを過ごした。

「頭がいい人」というのが、「居場所」として狙うことができなかったというゆくえに、紅葉は「そこだよ、席」と、椿の家のダイニングテーブルの“席”を指した。

新たな居場所を見つけたような4人。「頭がいい人」「調子がいい人」「都合いい人」「顔がいい人」とそれぞれ言われてきたなかで、互いが「一緒にいて居心地いい人」たちになっていくのだろうか。

その後、椿の後片付けを手伝った紅葉は、学生時代の教室移動する教科の話で共感。2人は「今度、あの2人に聞いてみますか」となった。一方、ゆくえと夜々も学生時代の交換ノートの話から同じように「今度、あの2人に聞いてみますか」となった。

紅葉はわざとハンカチを“忘れ物”にし、「うん、わかった」と優しく受け入れた椿。前回ゆくえが言った「2人組になれなかった4人」は、忘れ物でつながり、「2人に聞いてみますか」と思えるほどに存在感が増しているのだ。

ラストでは、椿の婚約者だった純恋(臼田あさ美)が「忘れ物しちゃって」と椿の家にやって来る不穏ともいえる展開になったが、何かあっても、ゆくえらの存在が救いになってくれることを願うばかりだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部