指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ・=LOVE (イコールラブ)のメンバーであり、アニメ好きの野口衣織が「神セリフ」からアニメの魅力をひもといていく連載企画。第24回では、自身も草摩依鈴役として舞台に出演した「フルーツバスケット」について語る!※この記事には、作品のネタバレが含まれています。※この記事には、作品のネタバレが含まれています。
母親を亡くしてテント暮らしをしていた主人公の本田透(CV.石見舞菜香)は、そこが草摩家の土地だったことで草摩紫呉の家に居候することに。草摩由希(CV.島﨑信長)や草摩夾(CV.内田雄馬)と一緒に暮らす中で、草摩家には代々、十二支と猫の物の怪憑きが生まれるという呪いがあることを知った透は、由希・夾を始めとした物の怪憑きと交友を深めながら、次第に草摩家の複雑な事情に関わっていくことになる。
「フルーツバスケット」は学生のころからアニメを観ていて、ずっと大好きな作品です。擬人化ものが好きなので、干支の動物になってしまうような世界観は夢があっていいなぁと思いながら観ていました。
でも、舞台出演のお話をいただいて観返してみたら、作品のストーリーの感じ方が全く違ったんです。今でも擬人化は大好きなんですが、その設定以上に、物語におけるキャラクターの感情の波だったり、温かい空気感や世界観の印象はそのままなのに、どこか冷たくて人間らしい冷酷さだったりを感じられて。大人になったからこそ理解できる感情もあって、「おもしろい!」と改めて思いました。
十二支という設定もおもしろいんですよね。実際に、十二支の昔話があるじゃないですか?神様のところに早く着いた順で、12番目までの動物に1年ずつ年をあげるというお話なんですけど、子(ねずみ)憑きの由希くんと、子に騙されて十二支に入れなかったと言われている猫憑きの夾くんが犬猿の仲というのも、そのお話に通じるものがあるんです。
作品に出てくる子たちはそれを呪いと言っているけれど、そのころの動物たちは必死だったし、十二支になれてうれしかったはずなんですよね。当時は名誉、栄光だったものが、子孫としてその力を受け継いでいったときに、今は感じ方が違ってもおかしくないなって。昔話と結びついていって、本当にありそうな、身近に感じられるお話しになっているのが素敵だなと思います。
「フルーツバスケット」は異性に抱きつかれたり、身体が弱っていると、憑かれた動物に変身するという現実離れしたところがありつつ、キャラクターたちの感情的な部分はすごく人間らしいんです。その中で、苦しいけれど素敵な言葉もたくさんあって。自分が言葉に表せない感情もうまく作品の中で表現してくれていて、生きていたら誰しもが抱えるずるいところやわがままなところ、嫉妬といった感情を簡単な言葉で片付けられていないところが、観ていて救われる気がします。
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