AKB48が、10月20日に東京・日本武道館でコンサート「MXまつり AKB48 62ndシングル『アイドルなんかじゃなかったら』発売記念コンサート ～古参も新規も大集合！なんでもありのAKBでっせスペシャル～」を開催した。
今回は10月20日から22日(日)までの3日間、日本武道館でコンサートを行うAKB48。その初日は、AKB48の17年の歴史を振り返る内容となっており、セットリストは柏木由紀と総監督・向井地美音が考案した。
柏木は「今AKB48を見てくれてる方も、昔のAKB48を知ってるって方も、みんなの大好きなAKB48を存分に詰め込みました！」と、タイトル通り新規ファンも古参ファンも楽しめる内容にしたと伝えた。向井地は「私は元ファンなので、同じ時代をファンとして生きてた人が絶対にいると思うんですけど、安心してください！マジで楽しいです！」と自信たっぷり。
その言葉通り、序盤から「AKB参上！」や「スカート、ひらり」「BINGO!」など、馴染みの深い楽曲が繰り出されていった。
歴史を振り返るコンサートということで、これまでにグループの中から生まれた数々の個性的なユニットの曲を、現役メンバーがパフォーマンスするコーナーも展開。ノースリーブス、フレンチ・キス、Not yet、DiVA、渡り廊下走り隊、NO NAME、てんとうむChu!などの楽曲を披露した。
そして、AKB48グループのメンバーが出演した学園ドラマ「マジすか学園」の楽曲「マジスカテッペンブルース」「マジスカロックンロール」も現役メンバーによるリメイクという形で披露し、元SDNのなちゅがサプライズゲストとして登場し、会場を沸かせた。前田敦子が演じた主人公は小栗有以が務めた。
さらに、野菜ジュースのCM曲で、メンバーたちが野菜に扮した「野菜シスターズ」もリメイクされ、野菜のコスチュームでキュートなパフォーマンスを見せてくれた。この曲でセンターを務めたのは18期研究生の新井彩永。
2010年から2018年まで開催された「じゃんけん大会」もAKB48の歴史を語る上では外せないイベント。ということで、9年ぶりに「じゃんけん大会」が復活。予選から準決勝までは事前に劇場で行われ、勝ち上がってきた岩立沙穂と齋藤陽菜が日本武道館のセンターステージで対決。
この大会のレフリーといえば、イジリー岡田。ということで、黒と白のレフリーの衣装を着て、センターステージに登場。「ありがとうございます！まさか、またレフリーが出来るとは思ってもいませんでした」と感慨深げ。会場に緊迫感が広がる中、決勝戦が行われ、岩立が見事勝利。岩立がセンターに立ち、「チャンスの順番」を披露した。歌い終わった岩立は「センター、武道館ですよ！夢のような景色でした！」と興奮がおさまらない様子。
後半はAKB48の歴史の中の様々な“1位”を振り返るコーナーからスタート。オリコンランキング1位を獲得した「RIVER」や「フライングゲット」、リクエストアワーで1位となった「純情フィロソフィー」「47の素敵な街へ」などをパフォーマンスした。
他に、AKB48の黒歴史を振り返るコーナーも。「板野友美バースデーケーキ転倒事件」「横浜スタジアム謎コンサート」「エイトくん頭が外れる」といった“事件”を映像で振り返った。終盤も「少女たちよ」「アイスのくちづけ」といった曲が披露されていったが、「心のプラカード」で2014年の「NHK紅白歌合戦」で大失敗した“プラカード事件”のリベンジを果たすべく、歌唱中にメンバーたちがプラカードでメッセージ作成にチャレンジした。
「これからもAKB48の応援をよろしくね！」というメッセージだったが、リプレイで検証した結果、「AKB」の上の段が間違えていることが判明し、間違えたメンバーたちはステージ上で謝罪した。
「ハロウィン・ナイト」を歌唱する前に小栗が「とある歌番組で、とある総監督がやらかした企画に挑戦します」と説明。向井地は「私じゃないですよ」と言って、楽曲中にオリから抜け出すマジックに挑戦するが、ここでサプライズ。オリから登場したのは初代総監督の高橋みなみだった。
メンバーも知らなかったサプライズということで驚きすぎて座り込んでしまうメンバーも。「今回、柏木さんからオファーをかけてくださって。最初、これ(マジック)って言わなかったじゃない！ゆきりんは功労者だし、これは出ないといけないなって。『RIVER』かな？って思ってたら」と、柏木からのオファーを受けてのサプライズ出演だったことを明かした。
最後の曲「離れていても」を歌う前のMCで、柏木がグループからの卒業を発表した。2024年3月に卒業コンサートを開催し、活動最終日は4月の予定。
アンコールでは「根も葉もRumor」「どうしても君が好きだ」「久しぶりのリップグロス」を歌唱。小栗がこの日のコンサートを振り返り、「普段は歌えない曲を歌わせていただいたり、普段は着れない衣装を着させていただいて、先輩方の伝統を今のAKB48で再現させていただけてすごく光栄だと思いました。これからは今の私たちがAKB48を作り上げていくということで、すごくリスペクトの気持ちもありながらも、自信と自覚をもってこれからのAKB48を守り継いでいきたいと思いました」と、力強く宣言。最後は小栗がセンターを務める最新シングル「アイドルなんかじゃなかったら」で武道館公演初日を締めくくった。
◆取材・文＝田中隆信