【ホラー漫画】家に帰れない迷子少女…町で出会った恐ろしすぎる幽霊の正体に反響続々「ゾワッとした」「ちょっとだけ悲しい物語」

2023/10/27 10:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

町で聞く迷子放送の真実…百合太郎先生の『カヤちゃんはコワくない』が話題(C)百合太郎/新潮社

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ホラー漫画『カヤちゃんはコワくない』(新潮社)をピックアップ。

幼稚園で問題児扱いされる特殊能力をもった少女・カヤちゃんが幽霊に立ち向かい無双するホラーアクションを描いた本作。2023年10月6日に作者の百合太郎さんがX(旧Twitter)に第18話『迷子放送はコワくない』を投稿したところ、4.8万以上の「いいね」が寄せられ大きな反響を呼んでいる。この記事では百合太郎さんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。

かわいい作画から急に訪れるホラー描写が恐ろしすぎる

『カヤちゃんはコワくない』より(C)百合太郎/新潮社


5歳の女の子・カヤちゃんが住む町では、連日迷子放送が流れていた。お父さんとカヤちゃんが歩いていると、迷子放送で流れていた服装によく似た少女がウロウロしているのを見かける。声をかけ、一緒に交番へ向かおうとすると、少女は何かに怯えるようにその場を走って立ち去ってしまった。

実は少女は得体の知れない幽霊を見かけてからずっとその幽霊に追いかけられているのだ。行き止まりに逃げ込んでしまい、怯える少女を見つけたカヤちゃんは「おねえちゃんもいたんだ」と一言。すると幽霊はその迷子少女に襲い掛かる。そんな幽霊にカヤちゃんはなんとグーで殴りかかり倒してしまうのだった。

倒れたあと、「くらい つめたい いたい でたい」と嘆く幽霊、そんな幽霊の正体とは…。

カヤちゃんと迷子少女のかわいらしい描写と幽霊の恐ろしすぎる描写のギャップが読者に大きな衝撃を与えた本作。X(旧Twitter)上では「鳥肌が立ちました」「ゾワッとした」「ちょっとだけ悲しい物語」「緩急がすごい」「2通りの見つかり方…」「意味が分かると怖い」など多くのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

作者・百合太郎さんが語る創作の背景とこだわり

『カヤちゃんはコワくない』より(C)百合太郎/新潮社


――本作をX(旧Twitter)に投稿後、4.8万を超える「いいね」が寄せられ話題となっています。今回の反響について、百合太郎さんの率直なご感想をお聞かせください。

今回の投稿から作品や作者を知ってくださった方がたくさんいらっしゃったようでとても感謝しています。ずっと応援してくださっている方も、初めましての方にも引き続き楽しんでいただけるような連載にしていきたいと改めて思いました。

――本作では、ホラー漫画ならではのゾクゾクする描写に加え、不思議な能力をもつ幼稚園生・カヤちゃんが悪霊を退治するという爽快さが印象的です。本作の物語を構成していくうえで意識した点などがあればお聞かせください。

スタート時点では「幼女が物理で除霊」というオモシロ感で安心して読んでもらっていましたが、今日までずっと大小の不穏さや引っかかりをカヤちゃんの可愛い日常と一緒に少しずつ取り込んでもらっています。ちょっとずつ相手に呪われるような嫌さをこの漫画を読みながら体験してもらえたら嬉しいです。

――本作は、『カヤちゃんはコワくない』(新潮社)に収録されているお話の1つですが、特に気に入っているシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。

おじいさんが「発見」されたところでしょうか。「無事保護」できなかったのは残念ですが、発見すらされないことも多々あるでしょうし...自分語りになりますが、祖父は生前一度行方不明になりまして、どうにも見つからないので「もう帰ってこないかもね...」と気の早い母が遺影用の写真を選びながら呟いた時の空気感などはこの話に結構影響を与えていると思います。

――現在、くらげバンチで連載中の『カヤちゃんはコワくない』(新潮社)について、改めて作品の見どころや注目してほしい点をお聞かせください。

可愛い女の子がばったばったとお化けを殴り倒す爽快ギャップ萌えホラーコメディだと思っていた方に絶望を、「最初から何か変だと思ってたんだ」というホラー好きには希望をお届け出来たらと思っています。どちら側でもきっと楽しめると思うのでこれからも楽しみにしていてください。

――百合太郎さんは本作の他にもホラー漫画を描かれているようにお見受けしますが、ホラー漫画を描くようになったきっかけや理由についてお聞かせください。

ホラー作品が大好きで小さい頃に松竹版『トイレの花子さん』をレンタルで何度も借りて見ていたのが原風景で、それからド定番ですが『呪怨』『リング』で本格ホラーに身震いし、『着信アリ』を見てから親がふざけて着メロを呪いの着信にして脅かすので大喧嘩したり、白石晃士監督のモキュメンタリー作品を本物だと(以下略)

とにかくホラーというジャンルが大好きだったので自然と選択肢の中にホラーが鎮座していました。ホラーの話をし出すと止まらないのでこの辺で勘弁してください。

――百合太郎さんの今後の展望や目標についてお聞かせください。

漫画を描くことが生活の一部になっているので、これからも歯を磨くように、お風呂に入るように、漫画を描いて発表し続けられたらと思います。25年くらいノロノロと描き続けて漫画家になったので、もう25年くらい描きづけたらまた新しい展望や目標も見つかるのではないでしょうか。ホラーも大好きですがホラー以外にも描きたい話はたくさんあるのでどこかで発表できたらいいですね。