ちょうどその頃アストルは、“青い子供”の中で体全体をペンキで染めて彼らの仲間となっていた。青のペンキがある桶の中には、彼らが崇める女性「アンジェリカ」がおり、満足げににアストルを仲間に入れる。
アンジェリカはその昔、“金髪軍団”のリーダーとして同世代の女の子たちを牛耳っていた。ある時ルチアという女の子が軍団に入りたいとやって来る。アンジェリカは軍団に入るテストとして、工事現場に吊るされているロープをジャンプで掴むよう指示する。しかしそこは高い場所だったため、ルチアは「怖い」と言って拒否。するとアンジェリカは半ば強引にテストをやるようにルチアをけしかけ、結果無理ロープに飛び移ろうとしたルチアは、そのまま地面に落下して亡くなってしまう。
その後アンジェリカはルチアのお葬式に向かう途中、「お葬式なんてバカみたい」「自分から穴に飛び込むなんてバカな証拠よ」と批判。両親にでさえ「人間の心がない」と言われるほど冷酷な性格の持ち主だった。
その後大人たちが“赤い病”で絶滅し、アンジェリカが1人自宅にいると、ルチアの兄をはじめとする子供たちがやって来て、アンジェリカへの報復として“青いペンキ”を被せる。それから時は経ち、アンジェリカは“青い子供”のリーダーとして、多くの子供たちを引き入れたのだった――。
回想シーンでは、アンジェリカが“青い子供”を創設するシーンは描かれていなかったものの、もともと“金髪軍団”という組織を自ら作っていた点から、「トップに立ちたい」という思いが幼少期からあったのかもしれない。また青いペンキをかけられた出来事がトラウマとなり、誰も報復できないような強い組織を作るために“青い子供”という集団を立ち上げたのではないだろうか。
地図を頼りに“青い子供”のアジトへたどり着いたアンナは、アンジェリカの元へ連れて行かれる。アンジェリカはアンナを集団のダンサー要員にするため、その場で踊るよう指示するが、アンナは得意な歌を披露。すると歌声を聞いたアンジェリカはアンナを褒め、「“大きな女の子”にキスできるわよ」と伝えた。その後アンジェリカに解放されたアンナは必死にアストルを捜索。そしてようやく見つけたものの、距離が遠いせいで声をかけるまでには至らなかった。
その夜、アンジェリカは“大きい女の子”に会うための儀式をおこない、ダンサーたちは踊りを披露する。そこへ、頭からマスクをかぶった“大きい女の子”がやって来る――。
第3話では、ついに“青い子供”のアンジェリカの正体が明らかになった。幼少期から裕福な生活を送っていたアンジェリカだが、女の子を死に追いやり、お葬式の場でもひょうひょうとした表情を見せていた。
そんなアンジェリカが連れてきた“大きい女の子”は、顔は隠されていたものの、背丈は周りの子供たちよりかなり大きいため、“未感染の大人が生き残っていた”と考えられる。
1話では、ピエトロが“青い子供”について、「捕まえた大人のキスで“赤”が治るらしい」と話していた。そのセリフを踏まえると、アンジェリカが未感染の大人を捕まえ、“キスをすれば赤い病に感染しない”と子供たちに言い聞かせ、自分の支配下に置いているのではないだろうか。
アストルも集団の中で普通に生活する姿が描かれていたため、すでにアンジェリカの手中に落ちてしまっている可能性もある。アンナとアストルは集団の中で再会し、無事自宅に連れ戻すことができるのだろうか。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※種崎敦美の崎、正しくは「たつさき」
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)