“天才子役”が美しい大人の女性へと成長 姉妹で活躍するダコタ・ファニングの軌跡

2023/10/29 11:10 配信

映画 コラム

ダコタ・ファニングダコタ・ファニングInstagram(dakotafanning)より

“脱”子役を成功させた貴重な逸材


ダコタが一目置かれる理由。それは子役出身俳優としては珍しく第一線で活躍を続けているから。子役として成功を収めた後に、業界から消えてしまう俳優も多い中、ダコタもエルも映画への出演を続けている。

“子役の呪い”と言われることもある子役出身俳優としての難しさを克服した方法について「ただ仕事に対するとても純粋な愛をいつも保ち続けているからだと思う」と過去のインタビューで話しているダコタ。「幼い頃から始めると、演技はごっこ遊びのようなもので、想像力を働かせる家での遊びの延長のようなものなの」と秘訣を明かした。

演技への愛を絶やさず燃やしているダコタは常に周囲への感謝を忘れない。「私はもちろん完璧じゃない。過ちを犯して学び続けてる。みんなと同じようにね。でも家族や友人、仕事仲間など、素晴らしい人たちが私の周りにはいる。みんな側で支えてくれる。周りの人との関係、それこそが人生で一番大事なこと」と話しており、彼女が愛される理由が見えてくる。

仕事仲間でもある妹を愛する姉としての一面


Instagramで約394万人のフォロワーをもつダコタ。「(みんなが私について知らないことは)1000%ある。でも言えないの。だってそしたら私の神秘的な雰囲気が失われてしまうでしょ」と話す通りあまり私生活を明かすことのない彼女だが、妹との写真はシェアしているところからも姉妹愛が感じられる。

今年4月のエルの誕生日には「私の親友、真実を語る人、生涯の味方。あなたの姉でいることは夢よ。お誕生日おめでとう、エンジェル。一番愛してる」というコメントと共に仲睦まじい2ショット写真を投稿。お互いに公私ともに切磋琢磨できるかけがえのない存在であるに違いない。

2021年には姉妹で製作会社「Lewellen Pictures」を設立。「私たちのゴールはコメディやドラマを通じて私たちの視点だけではなく、人間の経験に忠実な物語を伝えること。俳優としてだけでは作ることのできないコンテンツを作りたいと思っている」と声明を発表。幼い頃からヒット作の数々に出演してきた二人は、その審美眼と姉妹ならではの阿吽の呼吸で、どのような作品を世に送り出していくのか、熱い視線が注がれる。

デンゼル・ワシントンと19年ぶりの再共演


「トワイライト」シリーズや「ランナウェイズ」、「17歳のエンディングノート」や「500ページの夢の束」など映画を中心に活躍してきたダコタだが2018年には「エイリアニスト」でおよそ15年ぶりに本格ドラマシリーズ出演を果たした。

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」が話題のオスカー受賞脚本家エリック・ロスが製作総指揮を務めるミステリー「エイリアニスト」でダコタは、1890年代に女性が犯罪捜査に携わる道を切り開く先駆的なサラを好演。続編「エイリアニスト:暗闇の天使」でも同役を再演したほか、「ファーストレディ」といったシリーズにも出演し、映画以外にも活躍の場を広げている。

そんなダコタの最新作が10月6日に公開された「イコライザー THE FINAL」。デンゼル・ワシントン主演の大ヒットアクションシリーズ最終章となる本作で、ダコタはデンゼルと2004年公開の映画「マイ・ボディガード」(ディズニープラスで配信中)以来、19年ぶりの共演を果たす。「マイ・ボディガード」では、幼い少女と、その少女を守るボディガードとして心を通わせた。当時9歳だったダコタの圧倒的なキュートさも注目された作品だ。

「イコライザー」シリーズで監督を務めるアントワーン・フークアはとあるインタビューで再共演を果たしたデンゼルとダコタについて「二人には歴史があるというのが一目瞭然だったよ。互いに友人でもあるしね。ダコタはデンゼルの子供とも仲が良いんだ。だからお互いへの愛情が見て取れるんだよ」と、現場でも最高の相性を見せていたことを明かしている。

待望の姉妹共演も実現間近! ダコタが見据える将来


すでに数多くのことを成し遂げてきたダコタだが「たくさんの物語が世の中には溢れてる。とても創造的で、非常に多くの素質を備えた才能のある人がたくさんいる」と話し、まだまだ夢は尽きないそう。

彼女がまだ成し遂げていないことのひとつにあるのが、姉妹共演。これまでにエルがダコタの若かりし頃を演じることなどはあったが、同じシーンを共有したことはなかった。しかしクリスティン・ハナによる「ナイチンゲール」の映画化に取り組んでおり、この作品で姉妹共演が実現する予定だという。

30代目前にして既に長いキャリアを持ってはいるが、まだまだ女優人生の道半ば。変わりゆく業界で人々に愛され続けながら確固たる立ち位置を築いてきた彼女が、今後役者として、製作者として、どのような物語を見せてくれるのか。今後の活躍が楽しみでならない。