治済は、将軍を務める家斉のそばで誇らしげな笑みを浮かべていた。その笑みを見て、これまで邪魔者を残酷なまでに排除してきたのは、全て息子である家斉のためだったのかと思ったが、それは大きな間違いであった。
第14回では、治済と老中の定信(安達祐実)は何度か衝突した。これまでは自分にとって、いい駒であった定信が本格的に邪魔な存在に変化したのだろう。老中から定信を引きずり下した後、暗殺しようとしたのだ。
治済は家斉の隣で浮かべていた笑顔と同じ笑顔で、武女(佐藤江梨子)に「(定信は)徳川にいらん人物かもしれんのう」と話す。それは、普通の会話に聞こえるが、暗殺を促す悪魔のささやきでもあった。
それに気が付いた武女は、殺生だけはもうしたくないと涙ながらに訴えるものの、治済は許さず、武女は排除されてしまった。治済にとって、自分に逆らう者はすべて排除すべき対象であり、家斉のことは一切関係がなかったのだ。
治済は自我を持とうとする家斉も許さなかった。「人痘を再び始めませんか?」と提案する家斉に、治済はこれまでに見せたことがない表情を浮かべる。
治済の様子に気が付くことなく、一生懸命に「人痘」について語る家斉に、治済は激怒。男性を「子も産めない、働きもできないクズだ」と評し、そんな存在を増やしてどうするのだと家斉を叱りつけた。
その会話から推測するに、治済にとって家斉もまた駒にしかすぎず、もしいなくなったとしても、悲しむことさえしないだろう。そう考えると、治済のサイコパスな一面に恐怖することしかできなかった。
その後、江戸城では、子どもたちが不審な死を迎える事件が発生。その犯人は、他でもない子どもたちの祖母である治済だった。治済にとって孫たちを間引くことは唯一の快楽だったのだ。
治済は、何よりも人が苦しむ姿が好きなのだ。昔、毒入りのお茶を飲み苦しむ武女の姿を笑いながらもてあそんでいたように、苦しむ子どもの姿や子どもの死を嘆く母親たちの姿も楽しんでいた。治済は、「退屈だから」という理由だけで人を殺せる女性だったのだ。
自分も子どもを持つ母親でありながら、子どもを失う母親のつらさを理解するどころか、子どもを簡単に間引いてしまうサイコパスすぎる治済。X(旧Twitter)では、治済について「悪魔の所業すぎる」「退屈だから間引くとか最強にサイコパス」という声が上がる。
さらに、そんな治済を見事に演じている仲間に対し、「仲間さん怖すぎる」「怖すぎで尊敬する」「ホラーなのよ」という声が多く寄せられ、「#仲間由紀恵」がトレンド入りを果たした。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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