【漫画】町の疎まれ怪獣と暮らす少年…失いかけて気付く"友達"の大切さを描いた漫画が「何度観ても泣ける」と話題

2023/11/02 10:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

疎まれ怪獣と少年の絆に涙…吉良いとさんの『怪獣のこども』が話題画像提供/吉良いとさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、町で疎まれる"怪獣のこども"と一緒に暮らす少年との深い絆を描いた漫画『怪獣のこども』をピックアップ。

作者である吉良いとさんが2023年10月6日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.2万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では吉良いとさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

"邪魔だ"と思っていたのに…失いかけて気付く大切さに「涙」

『怪獣のこども』より画像提供/吉良いとさん


主人公のマモルが住む町では、巨大怪獣によって壊滅状態になった過去が原因で怪獣を恨んでいる人が大勢いる。そんな中マモルは、怪獣から町を守る部隊に所属していた祖父が遺した”怪獣"のこども・ペゴモンと一緒に暮らしていた。

祖父の遺言を守り面倒をみていたマモルだったが、ペゴモンのせいで悪口を言われたり避けられたりする状況が嫌で、とうとう「お前なんていなくなればいいのに」と言ってしまう。

ペゴモンを専門機関に引き取ってもらう相談をすると、専門機関の人はいきなり自宅に現れ、ペゴモンを"モノ"扱いしながら引き取ってしまったのだ。「これでいいんだ」と自分に言い聞かすマモル、しかし最後に見せたペゴモンの笑顔とこれまでの思い出がよみがえってきて…。

失いかけて気付くペゴモンの大切さやラストに訪れる勇気あるマモルの行動が話題を集めた本作。X(旧Twitter)上では「何度観ても泣ける」「心が温まる」「こんな良い話があるかよ…」「本当にいなくなる前に気が付けてよかった」「ペゴモンがかわいすぎる」「感動しました」などのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

「大切なもの/人ほど近すぎて見えない」が今作のテーマ 吉良いとさんが語る物語に込めた想い

『怪獣のこども』より画像提供/吉良いとさん


――『怪獣のこども』を描こうと思ったきっかけや理由についてお聞かせください。

怪獣が出てくるような作品が大好きで、自分もいずれ描きたいと思っていました。自分が描くならヒューマンドラマ中心の作品にしよう!と生まれたのが『怪獣のこども』です。

――はじめは邪魔に思っていた怪獣のこども・ペゴモンに対する愛情を認識した時のマモルの描写が感動的な本作ですが、物語に込めた想いや描くうえでこだわったことがあればお聞かせください。

「大切なもの/人ほど近すぎて見えない」が今作のテーマです。

『もし大事な人を突如失ってしまったら...』その喪失感をマモルとリンクして読者の方に受け取ってもらえるように、マモルの表情や絵の空気感は大事に描きました。

――本作の中で、吉良いとさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。

折り紙をマモルに手渡した後のペゴモンの笑顔がお気に入りです。

今までずっと表情がわかりづらかったのに、「ああ、ペゴモンはこんな穏やかな笑い方をするんだ」と作者ながら温かい気持ちになりました。

――本作のように周囲の人の目よりも自分の意志を大切にしたいと考える人は多くいるはずです。どうしたらそのような人になれるか作者の視点から意見をお聞かせください。

とても難しいお話です。今回の物語ではマモルは世間体よりもペゴモンを選びましたが、他の選択肢を私は否定する訳ではありません。「自分が後悔しない道」を選ぶ...それが一番大切なことだと思います。マモルにとってその道が、今まで共に過ごしてきたペゴモンだっただけです。

――吉良いとさんの作品は、本作に限らず登場人物が涙を流すシーンが印象的で一気に物語に引き込まれます。涙を流すシーンを描く際に意識していることなどはあるのでしょうか?

キャラクターに合わせた泣き顔を描くように心がけています。

例えば、「素直になれない男の子」だったらちょっと唇をムッとさせながらも涙がハラハラ出ていたり...「明るいけど周囲に本音をこぼさないような女の子」だったら涙腺が決壊したように大粒の涙を流したり...泣き方は十人十色です!

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方々へ、メッセージをお願いします。

いつも作品をお読みくださり有難うございます!SNSで反応して頂いたり、創作イベントで直接応援のお言葉を頂いたり、とても励みになっています。これからもいろんな場でいろんな作品を発表していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします!