美大在学中から音楽活動をスタートしたシンガーソングライター・小林私が、彼自身の日常やアート・本のことから短編小説など、さまざまな「私事」をつづります。今回は2年3カ月ほど続いた本連載の文体について考察したエッセイです。
ダ・ヴィンチニュース(現在ダ・ヴィンチWeb)にて、2021年6月30日「美大受験生活」から連載開始。現在は『私事ですが、』の名は変えずにWEBザテレビジョンに籍を移しながら連載中。ちょうど二年三ヶ月と29日が経ったということで初心にかえってみる。理由は、ちょうどだからだ。
いや、本当言うと、最近の文カタくね?って...
最初はネットで読む変な記事のノリで書いてたくね?って...
友達ライターの鎧坂さんの記事読んでて、思ったんだよね。あの人の記事やりたい放題だから。
手作りの剣を発泡スチロールブロックに刺す、という動作を
「刺(さ)......」
で表してたくらいだからね。
なんかああいうのだよな、俺達って元々。この変な倒置法も本当は要らないし、いつもなら手癖で地の文に「なんか、あの」とか入れちゃってから消すんだけど、今回は消さないもんな。
「それがいいだよゾロリせんせ」
イシシ(あるいはノシシ)!?
そうだよな...こういう回もあっていいよな...俺はゾロリせんせじゃないけど、頑張ってみるよ...!
さて、カタめの文章になった元はというと『汽水域』だったと記憶している。
それまではずっと横書きの、ウェブの読み物として書いていた文章を一度、縦書きに、紙の読み物として改めてみたのだ。
それが比較的好評だったから、そうしていた。あまり褒められずに生きてきたので少し褒められると図に乗ってしまう。じゃあ俺って文章上手いってこと!?...と、それなりに活字を読んできたという、なまじ根拠があることもあいまって。
別にその結果が悪いわけではない。確かに読みやすくはなっているときっと思うし、技術が微量ながら養われていくのは良いことだ。反面、技術的に優れていることが良い創作であることの条件ではないことはもう十二分に承知している。歌も楽器も大して出来ない割にそこそこの人数が見ていてくれるというのはそういうことだ。
ほらまたカタい文章になった。違うって。今日はこういうの一旦やめよって話だったじゃん。鉄鍋のジャン。
鉄鍋のジャンって知ってる?鉄牌のジャンっていう麻雀版もあったよね。
麻雀の方は小此木が何故か女として登場していて、そういうの嬉しいよな。ジャンも坊主だったのが少し長髪のクールなイケメンになっていて(中身は相変わらず)、そういうのって嬉しいよな。そうですよね、フリーレン様...フリーレン様?...そうか、俺の世界にはフリーレンはいないんだった。ヒンメルならこういうとき、どうする...?
ヒンメル「いいじゃないか、大人がモーリーファンタジーに行ったって。攻略サイトの知識で子供機のメダルを乱獲しよう」
あれ...?もしかしたら偽物の勇者かもしれない。ヒンメル、撃っていいか?
ヒンメル「撃つな」
偽物でした!!!撃て撃て撃て撃て!!!!!!
最近気付いたんだけど、俺って結構汗っかきかもしれない。
なんかさ、スマホの画面に指油(シーユ)が溜まって、どんどん文字が打ちづらくなるんだよね。5分前くらいに画面拭いて手も洗って、直後は良かったんだけどもうなんかヌルヌルすんだよね。
サラサラになるフィルム買いたいんだけど、ギャラクシーS9+のフィルムってもう全然なくってさ。前に買ったとき三枚セット頼んだんだけど、違う機種のフィルムが二枚届いて最悪だったんだよね。注文ミスとかでなく、品名は合ってたし。
俺ってもしかして存在しないはずのスマホ使ってんのかな。200年後くらいに俺のスマホ見つかって、ほかに同じものが見つからなくてオーパーツとして展示されちゃったらどうしよう。いやむしろそうなるように、同じスマホ使ってる人のところ行って破壊しようかな。フリーレンが寂しくないように、僕らの思い出を未来に残しておくんだ。
小林亮太の死から29年後。
葬送のフリーレン二百七十四巻、好評発売中。(嘘)
えー次回から文のカタさは戻した方が良いことが分かりました。
俺のことは忘れてください。さようなら
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)