天使は柵に足をかけ、幸紀がやめろと制しても、目を瞑って羽を広げて飛ぼうとする。しかし、「幸紀さん!」と言って天使は幸紀に抱きつき「やっぱりめちゃくちゃ怖いです」と言う。
「でも、どうしても飛ばなきゃいけないような気がして。なんでこんなに怖いんでしょう。飛べる気がしません。たとえ飛べたとしてもどこに行けばいいのかさっぱりわかりません。天界ってどのあたりになるんですか?」と天使は続ける。
幸紀が「知らないな」と答えると、天使は「人ってあんなにも不満を抱えて生きているもんなんですね。すごい量の負の感情が僕の中に入ってきてしんどくなって…。でも、今あなたが側にいるから平気みたいです」と幸紀に言う。幸紀は「普通俺みたいなのが近くに居るほうが体に良くなさそうだけどな。変なやつ」と言うのだった。
強面の幸紀が実はそんなには心が汚れていないことに天使が気づいているようで、気持ちが救われる思いになった。
◆構成・文=牧島史佳
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