発達障害のピアニスト 困難を克服した演奏に中居正広らも感動

2017/07/29 11:31 配信

芸能一般

自らの発達障害のエピソードを告白した栗原類

7月28日の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)では、金スマ特別編「発達障害を考える」が放送された。番組では、発達障害のピアニスト野田あすかさんに密着取材をし、発達障害の症状について詳しく解説。野田さんが試練を乗り越える姿に、スタジオも感動に包まれた。

「聴く者の胸を打つ音色」と言われ、国内外で数々の賞を受賞したピアニストの野田さんは自閉症スペクトラム障害を持つ。そのため視覚情報がうまく処理できず、楽譜をその場で理解しながら弾くことができない。新しい曲を覚える際は、携帯電話の録音機能を使い楽譜の右手と左手それぞれのパートの音階を読み上げて録音。録音したものを聞きながら音階を全て文字に起こし、音の高低を折れ線で記入、カスタネットを使いながらリズムを覚える。さらにエレクトーンの録音機能を利用して、片手パートずつ録音。両手の音を同時再生し、混ざった音の響きを覚える。これを楽譜一段ずつやっていくため、一曲が弾けるようになるのに、一か月を要するという。

そんな中、野田さんが初めてオーケストラと共演する機会が。しかし幼いころから他人の顔を覚えられず、高校時代は酷いいじめにも遭った野田さんはそのトラウマから制服のような同じ洋服を着た集団を見ると恐怖を感じてしまい、リハーサルでは周囲の出す音に苦しむ姿も見られた。

だが周囲のケアを受け、本番ではオーケストラと自作曲を見事な演奏で披露。野田さんも「普段言葉を一生懸命気を使ってしゃべっても、一人の友達を作るのにすごく時間がかかってできなかったのに、オーケストラと演奏が合って、音楽だったら気を遣わなくても自分の心に素直に弾いたら、こんなに一気に友達ができるんだと感動した」と涙を流し、スタジオも感動に包まれた。

スタジオには、発達障害を告白したモデルの栗原類も登場。発達障害について、自身の経験を交えて語った。中居が進路についての話題を持ち出すと「自分の進路を一緒に考えてくれる、理解してくれる親」の重要性について話した。栗原自身、発達障害を理由に普通の企業で働くことは無理だろうと考えていたそう。「周りの環境も重要なんだなと改めて実感しました」と周囲の理解の必要性に言及。話を聞いた中居は大きく頷き、納得した様子だった。

中居は「発達障害がある方イコール何かすごい特別な才能があるってわけではないんですよね?」と質問。昭和大学医学部の岩波明教授は、「もちろん天才といえるような方もいらっしゃいますが、多くの方はそうではないですね」と答え、発達障害に関する適切な理解を促した。さらに岩波教授は発達障害という個性を受け入れることについて、「家族だけの問題ではなく、われわれ社会の問題です」と話した。中居も「周りの方の理解とか、環境を整えることが今後大事になってくると思います」と締めくくった。

次回は8月4日㈮、夜8:57より放送予定。