コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「ねこのマッサージ屋さん」などのコミックスを販売中の漫画家・久川はるさんの「元野良猫にウェットフードあげたらとんでもないことになった話」を紹介する。作者である久川はるさんが10月6日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5.9万件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では久川はるさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
作者である久川はるさんが飼っている猫、元野良猫・ミコさん。いまはすっかり家に慣れたミコさんだが、家に来たばかりの頃は長年の野良生活で「クソデカボイス&ダミ声猫さん」になってしまっていたという。朝5時にも関わらずお腹が空いたと鳴く声は、近所迷惑が心配になるほどの大きさだった。
起こされた久川はるさんは「本当にうるさい…」とボヤきつつ、ご飯をあげるべくお皿を取り出す。しかしそこで、普段あげているカリカリのドライフードが切れていることに気付いた久川さん。初めてで食べてくれるかわからないものの、ウェットフードをあげることに。
するとミコさんは、「え」「ちょ」と久川さんが驚く間に食べ終わった途端にクソデカボイス&ダミ声で絶叫する。その理由は、顔にありありと浮かんでいた。
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ミコさんのエピソードを友人たちに話すうちに、「もっとたくさんの人にミコさんの可愛さを見てもらいたい…そうだ漫画にしよう!」と思ったのがきっかけです。
子供の頃に「ハムスター倶楽部」というペットエッセイ雑誌を読むのが好きで、その頃からペットエッセイを描くことに憧れがありました。「ハムスター倶楽部」って雑誌名ではあったんですが猫エッセイも結構載ってる雑誌だったんです。見よう見まねで当時実家で飼っていた猫を題材に描こうとしたんですが、その時は幼すぎて技術も何もかも足らなくて、結局投稿も何もできなくて…。
ミコさんを飼い始めた時にそんな幼少期を思い出して、「今なら描ける!」と思って描き始めました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
ウェットフードの美味しさでテンションが爆上がりしたミコさんのキラキラ顔です!
ミコさんのエッセイ漫画全体を通しては、ミコさんの猫らしからぬ甘えんぼぶりに注目してもらえたら嬉しいです。あとはミコさんのピンクの肉球に愛を込めて描いているので見ていただきたいですね。
今まで実家で2匹の猫を飼ったことがあるのですが、2匹とも肉球が薄茶色の子だったんです。それもあってミコさんに出会った時、ピンクの肉球だ…!って感動しまして。その時の感動がいまだに絵に現れている気がします。
――ミコさんは、ドライフードのときはここまで興奮していなかったのでしょうか。
しませんでしたね。とはいえドライフードの時も、ものすごくがっついて皿まで舐めてました。野良暮らしで相当お腹をすかせていたのだと思います。
保護してから半年くらいはとにかく食べ物への執着が酷く、私の食事時には常に食べ物を奪おうとしてきました。主菜、副菜、汁物、みたいな献立の料理を作ってしまうと、主菜を食べている間に副菜の皿の料理を食べようとしてくるんです。なのでその時期は常にワンプレートの料理しか作らないようにしていました。
今ではフードを選り好みして残したりする程度には家猫らしくなりました(笑)。
――当初はダミ声&ビッグボイスだったということですが、現在のミコさんはいかがでしょうか。
根気強く普通のトーンで話しかけ続けたところ、今ではかなり抑えめに鳴くようになりました。昼寝してる時にうっかり起こしてしまったりすると「んぁ?」って寝ぼけた声で鳴くんです。一緒に暮らすうちに徐々に人間の話し言葉のイントネーションを覚えていってる感じがします。
でも構って欲しい時は相変わらずでっかい声で鳴きますね(笑)
――久川さんが猫を描くとき、気を付けていることやテクニックなどはありますか。
猫の体をデフォルメし過ぎないように気をつけて描いています。猫はそのままの姿でとても可愛く美しい命なので。もちもちふわふわとした猫を触っている感触を思い浮かべてもらえるような線を引くよう心がけています。
鼻先のピンクと耳の中のフワ毛など、自分が思うミコさんの可愛いポイントを濃縮還元する気持ちで描いています。
――今後の展望や目標をお教えください。
ミコさんのエッセイ本をたくさんの方に読んでいただきたいです!
書籍では、SNSではほとんどお話ししていないミコさんを保護した時のエピソードを書き下ろしています。また書籍化にあたって絵もかなり修正しているのでぜひ注目してほしいなと思います。
それからミコさんの漫画がバズった時に、『「ねこのマッサージ屋さん」の人か!』ってコメントが結構あったので、ミコさん漫画をキッカケに「ねこのマッサージ屋さん」も読んでもらえたら嬉しいです。
露骨な宣伝になってしまってすみません…!(笑)でも読んで欲しい気持ちは本物です!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
猫と暮らしている方はご自身の猫との思い出を振り返りながら、猫と暮らしたいと思っている方は猫との暮らしに思いを馳せながら読んでいただけると嬉しいです!
Xなどでこれからもミコさんの漫画や写真を更新していく予定なので、今後ともミコさんとの暮らしを見守っていただけますと幸いです。
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